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カオス・レギオン

 富士見ファンタジア文庫 冲方 丁・著
 私の中では、ゲームよりも絶対こっちの小説のほうが面白い。
 ゲームありきのノベライズですが、これはゲームよりも小説の方がヒットしたんじゃないかと思うくらい。
 ゲームの方だと、様々なタイプのモンスターを召喚して敵モンスターを蹴散らしていくアクションゲームだそうです。声の出演に、俳優陣を起用したゲームですね。興味があって買おうとも思ったのですが、小説のイメージを大切にしたかったのでゲームは買っていません。

 上位のキャラに主人公のジーク・ヴァールハイトがおります。その親友であり裏切ったヴィクトール・ドラクロワ。二人を支えた女性、シーラ・リヴィエールがおりますが、彼女は亡くなっているんですねえ。
 愛するシーラを失ってしまったドラクロワは世界に絶望し、理想のために外典イザーク書に手を出し力を手に入れ暗躍をはじめる。
 他にはアーシア・リンスレットというサブキャラがいるようです。小説のオリジナルとして、ノヴィア・エルダーシャがいるようですね。ノヴィアがゲームでいるのかどうかは、ちょっと確認してません。
 ジークとドラクロワの対決がゲーム本編なのですが、その本編よりもさらに長い物語が小説で展開していきます。聖法庁を離脱したドラクロワを追って、ジークはあちこちを旅して彼を追っていくのです。
 本編では、ジークとドラクロワの対峙が主な展開で、二人の決着で幕を下ろすのですが、すでにこちらよりも、おまけではじまったはずの小説の展開の方が比重が高いです。

 巻数表示なしが、ゲーム本編の小説。0が外伝仕様で、ジークのお目付役として従士として仕える、ノヴィアという少女との出会い。01から05までが、ドラクロワを追っていくまでの物語。ノヴィアは修道女として特殊な能力を所有しています。
 この世界の宗教観念はよくわからないのですが、王家だかなんだかの他に聖法庁と修道女たちの<銀の乙女>という組織があるようです。
 ノヴィアが持っている能力は、万里眼と幻視の二つ。視線に関する能力ですね。銀の乙女の中でも複数の力を持っている修道女は珍しいようです。
 万里眼は文字通り、千里眼の能力。遠くにあるなにものも、隠された物もこの視線から逃れることは出来ません。幻視の力は、見えると念じることで具現化する能力です。他者の能力で具現化している現象を、見えないと否定することで解除することもできる強力な代物。
 おまけとして、アリスハートという妖精がノヴィアの親友としてついていきますが、彼女の存在のおかげで暗い話も明るくなります。

 もだえるほどに完璧に格好いいジークが主人公ですが、彼はすでに強すぎるので成長の余地無しです。なので友情の葛藤に悩むのが常。
 逆にまだ未熟なノヴィアが能力を使いこなし、ジークの右腕として成長していく物語です。本編でのノヴィアはかなりのしっかり者で、幼いながらにジークを支えているのですが、二人が出会った頃は無口で影を背負ったジークとの関係に思い悩んでいます。
 やっぱり、見所は彼女が活躍するところですね。幻視の能力を受け継ぐ試練、大勢の民を守るために橋を架けるところなんか圧巻です。
 達観していて大人のジークとの関係に思い悩むところにつけ込まれるも、逆に信じることを学びます。同じ年頃の少女の存在に嫉妬したり、やきもきしたりして、物事を客観的に見ることを学びました。
 本編では、年上のアーシアがやはり達観しているジークの態度に苛立ちますが、ノヴィアが宥めてしまうのですよ。それもこれも、二人の絆がどれだけ強くなったかがわかるというものです。
 ジークはノヴィアの前に、四人もの従士を死なせてしまっている過去がありますが、どうやらノヴィアはジークについて行けそうですね。

 この話が完結してしまって、本当に残念でなりません。著者の新作に期待大です。
 正直この方のデビュー作である「黒の季節」とか「ばいばい、アース」はとっつきにくいのです(読んだけど)が、SF大賞を受賞した「マルドゥック・スクランブル」とか「蒼穹のファフナー」「ピルグリム・イェーガー」なんかは、やっぱり面白いです。正直、アニメ「蒼穹のファフナー」の方は驚きでしたが……。漫画の原作までやられているなんて、すごいです。

 ちなみにこの本の著者が本の帯にコメントしてた、早川書店のグアルディアを購入しましたが、そっちは脱落しました。政治の話が盛りだくさんで難しい。
 逆に面白かったのが、女子大生会計士の事件簿。経理系の資格取得を目指す人たちむけに書かれた、いわゆるテキスト本。会社に勤めているので、いわゆる経理とかはついてまわるのですが、知識が皆無です。そんな人にお勧めな本。推理小説ではありません。会社の経理の仕組みを勉強できて面白いです。いかんせん、おいてある書店は限られるのが難点ですね。

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