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ICO イコ霧の城

ゲームじゃなくて、小説のほうです。
講談社 宮部みゆき・著

私はゲームよりもやっぱり、小説という紙の媒体が好きですね。
カオスレギオンもその一例ですが。
昔は正直、ストーリー性の高いRPGなんかも、別にゲームにしなくてもいいのに、とか思っていたのですが、そういうのじゃないんだなーと。やっぱり、ゲームだと映像とか音楽とか臨場感が湧きますもんね。
でもやっぱり、ノベル系のゲームはだめです。ADVっつーんでしたか、選択肢のみで進めていく系のゲームは全然会いません。
「月姫」も「デモンペイン」も途中で飽きたので、止めました。デモンペインは小説を買って、積んでありますからそっちでいずれ? まあ、ゲームもいずれはやろうとは思っているのですが……。
ドラクエシリーズの小説も、何故かプレイしていないのに買って読んでました。FFシリーズの小説がないのがいつも残念で。ドラクエシリーズもプレイしたのは、読んでからだし、随分遅かったし。
ドラクエシリーズの小説は、攻略のヒントにもなったりしましたね~。

それはともかく、ICO。
宮部先生のゲーム好きはよく知られている事実ですね。
幻想水滸伝のゲームレビューも書いていらっしゃいましたから。
この方はいったいいつ小説書いてんだってくらい、執筆ペースも速いし作品も多いですよね。
私は読んだのは、「レベル7」とか「ブレイブストーリー」くらいなもので、少ない方ではないでしょうか(やはりファンタジーに傾倒気味)。
本当はもっといろいろ読みたいのですが、なかなか時間がなくて。「ドリームバスター」とか、あれなんて2まで出てるでしょ? 時代物を書かれているのでそっちも読みたいのにー。

ちょっくら、ゲームレビューのブログも見てみましたが、ゲームの方はアクション物でほのぼのとした様子。
私はアクションゲームは駄目なので、パスですね、うむ。
しかし、評判の良いゲームですねー。宮部先生もそこが気に入って、三年もかけて構想を練って書かれたんでしょう。その間にも本を出版されてたんだから、やはり恐るべしですよね。
本の内容は、うってかわってホラーでダークで憎しみが渦巻いています。随分と印象が違うようですね。残念ながらゲームの方が評判がよい模様。
ファンタジーしていて黒い霧に包まれた城の恐ろしい印象がぬぐえません。

十三歳の少年が、年上の少女を守って、城に眠る霧と戦うお話。
城に眠る霧の封印を守るために、角を持って生まれてきた子供が生け贄として捧げられるしきたり。
そうして生まれてきてしまった、イコ。
霧のもたらす災いを防ぐため城へと赴くイコは、そこでとらわれの白い少女ヨルダと出会い、少年は少女を連れて魔の城より脱出を試みる。

十三歳の少年って、……あんなだっけか?
などと思うこのごろ。自分がどうだったのかわからないー。最近の子供はませすぎなんだよっ! だから、きっとこっちが年相応なんだよね、きっと。
子供向け冒険小説だと、このくらいの年の子が探偵だったり、戦士だったりして活躍するんですよね。
しかしして、同年代の少年少女たちが活躍する物語に、親身になってのめり込んでしまうのですね。
だが、年を経るに従って、その英雄像に求める対象の年齢も上昇していき、正直十三歳の少年が主人公だと物足りないこともあったりして。
「ありえない」少年像に、自分を重ね合わせることが出来なくなってくるんですよね……。
大人になることで、頭が硬くなってきただけってことか……。
ここでもやっぱり、ピーターパンシンドローム!
複雑な一読者の心境でした。

ただやっぱし、ゲームはアックションだし、ストーリーよりもパズルを解くのが主なわけですから、小説には不向きじゃないかと思ってはいたんですよね~。
しかし、話題のゲームだったし、宮部みゆきだし? 興味ある作家さんだったのでこの辺で取っつきやすい小説をと思って買ったわけですから、面白くないわけがないんですよ。
だけど、長すぎる。
城をあちこちへ彷徨うイコとヨルダ。その際、いろいろと伏線が張られていて、二人の心境も細かく語られるわけですが、ちょっと飽きる。
一番面白かったのは、何故霧の城が生まれたのかという、回想シーンです。
そこには、角を持った壮年の戦士オグマが出てくるのですが、それがまた格好いい。いぶし銀の渋さで、城に渦巻く陰謀に立ち向かっていくのですが、そっちの方が面白かった(笑)。
前述の通り、私は英雄像を子供ではなく大人に求める傾向があるので、イコよりもオグマの方が気に入ってしまいました。
しかしまあ、オグマは所詮過去の人物。
イコはオグマの意志を継ぎ、城の霧に立ち向かっていくんですよね~。
城の謎やら過去の因縁やら、その辺はミステリ作家の宮部先生のことですから、上手いです。

内容は正直、子供向けだと思います。けど、販売形態やら装丁なんかは大人向けファンタジーを意識しているのかな? 小学校や中学校の図書室に置いてもいいと思うけれど、ともすれば文章が重すぎるので、その辺は改稿が必要かと。
「ブレイブストーリー」では、主人公の少年の両親が離婚するという、問題を抱えていたり、その辺の愛憎があまりにもリアル過ぎるので子供向けとは思いませんでしたが。
ああいう風に、イコが何かを信じて、勇気を起こし、知恵を振り絞る様は、近頃のライトノベルにもないまっすぐで純粋な少年の姿に、現実の少年少女たちに、本来あるべき姿として求めてしまうのは夢見過ぎか?
どうせなら、戦士オグマの小説が読みたいなー。

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