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月読

謎めいたタイトルに惹かれて購入しました。月の神の名前が神秘的です。表紙はチューリップです。

文藝春秋 太田忠司・著
HONKAKU mistery masters

月読、それは死者の最期の言葉を聴きとる異能の主。故郷を捨て、月読として生きることを選んだ青年、朔夜一心と、連続婦女暴行魔に従妹を殺され、単身復讐を誓う刑事、河井。
ふたりが出逢ったとき、運命の歯車は音を立ててまわりはじめる。

不思議な世界です。
私たち現実の世界に、月導という現象が起こる設定になっています。それを隠す組織やら、なんやらは存在はしませんが、実害はないのだろうか……?
月導とは、人が死ぬと起こる現象で、その付近になにかの物質や現象が現れることを指します。
月読の能力者は、その月導から死者が最期に感じた思考を感じ取ることが出来るのです。
土曜の夜から読み始めて、続きは日曜の朝にしようと思っていたのですが、それだけでは終われず。
深夜番組の「ギャラリーフェイク」が始まってしまったけど、それでも読むのを止められず、最期まで読んでしまいました。
「ギャラリーフェイク」、森川智之が渋い。主人公やってるとこ、はじめてみた。
って、なんかblogを書く日が、次第にずれてきているなー。

それはともかく。
文藝春秋でこの手の話を読めるとは思いませんでした。かなり異色ですよね。
そんな能力の持ち主というのは、ライトノベルの登場人物だけかと思っていました。
そういう意味では、世界観の広がりを考えても、長く続けていけるような気がしましたねー。
一回で終わらせてしまうのは惜しい世界観だと思いました。むしろ、長編よりもそういうの繰り返して事件を解決していくほうが、面白くなっていくんじゃないかなー。
分厚い本なのにすらすらと読めてしまうのも、読みやすいと言うこと。
いくつかの事件が平行に展開していきます。
登場人物に、高校生の男女が登場するのもライトノベルっぽいかも。
少年は克己と、少女は炯子。
克己はごく普通の少年ですかね。炯子はきっつい性格をしていて、若くして男を手玉に取っています。最近こういうヒロイン多いなー(苦笑)。
二人はある共通点に結ばれており、それを期に急接近、って感じでしょうか。
月の明かりも綺麗な扉絵がますますライトノベルっぽいかも。
でも、ぽいだけですが。
月導はダイイングメッセージの類に扱われるのかと思いきや、結構叙情豊かで趣がありますね。事件にどうこうというよりも、ほとんど無害で。能力者は異端ではありますが、実際に対して役に立つものでもないですしね。それなら、霊媒でもしたほうがよっぽど事件の解決に繋がりそうです(霊媒は存在しないけど)。
事件的にはどれもインパクトには欠けるのでしょうかね。
残念ながらもうちょっと重きを置いて、深く掘り下げてもいいような気がしましたが、そうもいかないよなー。
一心の黒衣装ぶりは、どうにも京極を思い出してしまいます。
あの雰囲気は、とっても好きでしたが。

最期の追い込みは、ちょっと目が離せません。

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イン・ザ・プール

トンデモ精神科医の、とんでもない診断。いわゆるショック療法?

文藝春秋 奥田英朗・著

ひでろう、じゃなくて、ひでお、なんですね。
もう一冊の続刊は空中ブランコ。映画化されるそうですね。
なんか、最近そういうの多いけど、大丈夫なのか?
最近などは、「ハサミ男」が映画化するって? えーっ? あれってどうやって映画化するの~?
めちゃくちゃ読者を欺くトリックなのに、観るものを欺くトリックなんて不自然じゃないのかなあ?
それとも、結末が全然違うとか??
豊川悦司ですかー。
そういえば、京極堂はどうなったのかな? いつ公開だっけ?
木場修、榎木津の配役が思いっきり違和感ありありなんですよねー。
邦画ってあんまり観ないのよね、何故か。
でも、ローレライは観たいかも。原作も文庫が出たんですけど、なんだか四つに分冊されていて、しかもバランスが悪い。一巻は薄っぺらいのに、その後からが厚くなってくるのでした。
原作はねー、きっと戦争小説だから、政治の話とか地理の話とか、小難しいのが羅列してるんだろうなあ~。
……苦手分野なのよねー。

邦画の話はともかく。

イン・ザ・プール
たちっぱなし
コンパニオンズ
フレンズ
いてもたっても

強迫観念、ストレス、被害妄想、依存症、心配性、など強烈になっちゃった困った患者さんが、地下に押し込められているお医者さんに診察して貰うことになるんですがー。
このお医者様、どうやら伊良部総合病院の跡取りっぽい? 自分勝手で我が儘で、マザコンの自己中、おまけに注射フェチ。注射するために医者になってんじゃなかろうか?
でもそれなら、別の医者になればよかったのにねー。
精神科医じゃ、注射率低そうだし。そして、何故か色っぽい看護婦さんのオプション付き。
患者さんは困った行動をとることになるわけですが、伊良部先生はなんだかその行動を過剰に真似たり、煽ったりして、逆に患者の方が引いちゃいます。
笑えます(笑)、患者の神経を逆撫でする言葉は、笑えちゃってしょうがなーい。
けれど、それは患者の鏡。何故か、患者自身に気付かせることに……。
そう書くと、とってもいいお医者に聞こえるんですが、そんな馬鹿なー、ってほど自分勝手。結果、患者を治療することになるのだけれど、それが計算して考えてやっていることなのか、その自己中心的な性格故に結果的にそうなっちゃうのか判断が難しいところ。
もし計算していないのだとしたら、恐ろしいほどのちょー天然ってことなんじゃ……。

ところで、作中に気になる描写が。
自炊をしなくなって、コンビニ弁当にしてから、体重が3kg増えた、って。
私は自炊をしてから、8kgも増えました。それから、最後の3kgが元に戻らなくなった……。
それから、コンビニとかスーパーのお総菜を買ってきています。丁度一人分なので、食ってしまわずにすむのですよ~。物足りないけど、しかし余計な栄養分とらずにすむし。
私は造ったものは、全部食っちゃいます。ハンバーグも、普通は小型を2個なんですけど、手作りしたら3個になっちゃって、その3個を全部食ってしまうのでした(死)。
私は食べるのを止められない方です。食べ物があると、食べてしまうので、なるべく食料は買い込まないようにしています。でも、食べたい欲求が強い。
これもある意味、精神病なんですか???

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バルバラ異界

バルバラー、バラバラー、ベルバラー(?)、青羽の美少女ぶりにメロメロです。

小学館 萩尾望都

SFだー。
「残酷な神が支配する」の文庫版を二巻で止めた私でしたが、こちらはなにかと話題の様子だったので、買ってみました。
題材も好きなタイプです。
夢の世界が、現実の世界を浸食し始める。
しかもそこにはサイコなサスペンスが絡んできています。

他人の夢に入り込むことが出来る夢先案内人、時夫。
夢の世界バルバラを形成し、その中に閉じこもっている少女、青羽。
バルバラを想像し、夢見る少女にシンクロする少年、キリオ。

主に以上の三人が絡んでの話になります。
時夫さんは、三十後半だと思うのですが、それなのにかなり若い感じですね。なんか、二十代のように見えるのですが……。しかも、仕草が時々女の子だしー。
息子のキリオが、十四、五だと思うので。
時夫さんは二十歳の頃に、気の強い明美さんと出逢ってできちゃった結婚したようです。ですから、時夫さんは三十代です。
まあ、その辺りは目をつぶるとしても、最近のはやりなのかへたれ系の男前です。作中ももてますから。
なんで、もてるんだろうな~?
まあ、優しそうだし、優柔不断だから、しっかりものの姉さん女房があっているのかもしれませんね。

キリオは、時夫の能力が理由で両親が離婚してしまい、あまり恵まれた少年時代を送っていない様子。
しかし、この方の作品は、主人公の少年はいつも母親が歪んでいるなー(苦笑)。
なんかあるのでしょうか、と勘ぐってしまう。母親役が気の毒ですよね。女性はみんな気が強いし、顔がきついし。
キリオは神楽の舞手として、すぐれた身体能力の持ち主です。母親に育てられましたが、母親の偏った愛情に苦しんでいます。父親の時夫とはほとんど会うこともなく、少々鬱陶しく思っている様子です。
そんな環境の中、自分の心を慰めるため、空想上にバルバラの世界を作り上げました。キリオは自分の想像上の空想世界が、他人の夢の中に再現されていることを知り、混乱します。
そして、彼にもなにか大きな秘密がある様子です……。

青羽は、とびきりの美少女です。二巻の表紙はとても綺麗。
生まれた頃からアレルギーに悩まされていて、食事制限も厳しいことでしょうねえ。
最近ではアレルギー体質の子供が多いとよく聞きます。親の食生活の乱れが、子供に影響を与えてしまうらしいですね。人類は今、生きるために、存続して子孫を残すために、生まれたときからの環境を整備することを求められているように思えます。
青羽は、幼い頃に両親の心臓を食べて、長い眠りにつきます。そして、その眠りの中で、バルバラを形成していくのです。そして、その夢は現実世界にまで影響を与えていき、世界の片割れである時夫の前に現れ、バルバラを脅かす人間を排除しようとします。

空想の、夢の世界。その中で生きていけたらどれだけ素晴らしいことでしょうか。
けれどそれは現実ではなく、ただの現実逃避でしかない?
そういう作品のテーマは、いつの時代にも答えのでない反芻を繰り返していくのでしょうね。

物語はいくつもの謎を孕んで絡み合っていきます。
エズラ、ヨハネ、アゾーレ博士。
バルバラ、火星、永遠の命。
そこかしこで、登場人物たちに深い過去があり、まるで三つ編みが編まれていくかのように進んでいく物語。

物語は佳境に向かって、未来の謎に迫っていきます。

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マツの木の王子

フェリシモ出版 キャロル=ジェイムズ・作

紫の表紙が和紙のような手触りです。
マツの林のマツの王子が、そこに芽生えた一本のシラカバの少女を好きになりました。
まわりのマツに反対され、切り倒されたシラカバと、ショックでばったり倒れたマツは、木こりによって売りに出されます。しかし、二人の旅はそこから始まりました。
というわけで、なにかというとマイナス思考のシラカバの少女を励まして、マツの王子は旅立っていきます。
彫刻家のおじいさんに買われた二人は馬と鹿に生まれ変わり、やがてサーカスに引き取られてメリーゴーランドの馬になりました。その後、メリーゴーランドから廃棄工場を経て子供たちによって公園へ連れて行かれて、揺り馬になって年を取るまで過ごすのでした。

プラス思考のマツの王子は、なにかというと泣き崩れるシラカバの少女を励ますのが印象的です。
そんなシラカバの少女も、二人一緒なら乗り越えていけます。
そして、二人一緒ならば、周囲を幸せにすることが出来るのでした。
というわけで、ラブラブな二人はいっつも離ればなれにされるのではないかとびくびくしているのでした。

最後に二人は、一緒に燃やされて煙になり、二人が出逢ったマツの林へと漂っていくのでした。
きみに読む物語の児童書バージョンのようです。
復刊されたということですが、名作というものはいつの時代にも発掘されていくのでしょうかねえー。

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半身

霊媒。ニコール・キッドマン主演の「アザーズ」と合わせると最強タッグかもしれない……。

創元推理文庫 サラ・ウォーターズ・著

去年話題になっていた小説ですね。
今日は朝から何を読もうかと迷っていて、結局この間買い込んだハードカバーではなく、文庫本のこれにしました。
お昼に例によって例の如くお昼寝して二時間ほどロスしたため、今日中に読めそうになかったので、第三部からはテレビで放映していた「アザーズ」を付けっぱなしで読みました。

「アザーズ」はホラーというかオカルト映画ですよね。
映画のトリックとしては以前にも見たことがあるものなので、驚きはしませんでしたが、本の内容も相まって怖いこと怖いこと、雰囲気を盛り上げてくれました。

倫敦の監獄を慰問に訪れた貴婦人が、不思議な女囚と出逢う物語。
一人称形式で、日記を読む感じで物語は進んでいきます。日記なのか、現実の描写なのかあいまいなところを浮き沈みしながらたゆたっていきます。
主人公は貴婦人のマーガレット。そして、美貌の霊媒師はシライナ。
日付が一つの区切りとして始まるのですが、最初は日記の書き手が二人いるとは思わず、てっきりマーガレットも裏で霊媒のアルバイトをしているのかと思っていました。
なにやらマーガレットは苦い過去があるようで、その出来事があったために霊媒を止めてしまったのかな、と。

過去の呼びかけと、未来へ進む日記が交互に綴られていきます。
物語の中で霊媒はまことしやかに真実なのか嘘なのかわからず、困惑や戸惑いのなかで暗く寒い監獄の中を紫の煙のように漂っている感覚。
現実ではなく、本のなかの出来事だから、その霊媒は真実かも知れない。現実ではあり得ないけれど、本の中なのだから、本の中では真実なのだ。
そんな風に思いこまされながら、マーガレットとシライナの絆が切々と綴られていき、なにがミステリなのかわからないままふらふらふらふら、監獄の中を彷徨うように物語に引き込まれてしまいました。
昨今のミステリは、ファンタジーも入っているので、霊媒も実在する能力として描かれているのかも知れない!

そんなこんなですっかり騙された私。
シライナのプレイボーイっぷりに唖然、呆然、愕然。
しかし、久しぶりに推理小説を読んだ気がする。
大きな事件が起こるわけではなく、マーガレットの心と慰問の様子だけが綴られている内容は、時々しんどいときもありました。確かに、京極夏彦を思わせます。
なんて無駄の多い話なのだろう。けれど、それで良かったのだ。
バッドエンド、バンザイ。
そのうち、「荊の城」も買おう。そのうち。

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光車よ、まわれ!

私が生まれる前の本です。余所様で話題になっているのをみたので、さっそく読んでみました。

ブッキング 天沢退二郎・著

復刊ドットコムで復活したとか。
昨今のファンタジーブームですからねえ~。
漫画なんかも文庫で再販されていますが、それと同時にあまりに多すぎる漫画雑誌に漫画本が、毎月毎月ごろごろごろごろ雪崩のように出てきていますから、本当に選ぶのが大変だし、読むのが大変。
その中から自分が絶対に好きなものが少しでも引っかかればいいのですが、選ぶことすら難しい。だから、ひたすら読むしかないんですよね。
そもそも、本の寿命が短いとはよく言われていることで。かといって、買うにしたってあまりにも多すぎるー。
復刊ドットコムでも間に合わないのでは? という危惧も。

久しぶりに児童っぽい物語を読んだ気がします。
時代が古いのはしょうがないけど、子供たちの様子にほっとします。
軽く三十年前ですから、古いんですけど、懐かしさがなんとなく瑞々しくて、心地よいです。
最近だと、「サジュエと魔法の本」かな? あれはやはり「最近」の感じがしましたが。

時代と移ろいと共に、作品が古くなっていくのは仕方がないことですが、それはそれでその当時を思い出すことが出来る重要なアイテムになりますよね。
小学生の頃、どんな物語を読んだかな、と思いを馳せてみると、本じゃなくて「学研」と「科学」を思い出します。
今もあるのかな? 学研のおばさんが来るのが毎月楽しみで仕方が無くてー。
それに「ペルセウス」少年のSFがあったんですよねえ。タイトルが思い出せないなー。
敵はやっぱりメデューサなんだけど……。
しかして、Amazonで検索をかけてみる。「流星少年ペルセウス」かー。確かそんなだったと思う。もちろん、絶版ですか。
一年間連載で、毎月宇宙船で十二宮の星々を巡り、石を集めるんだったかな?
学研から本も出て、そっちはリメイクっていうか、連載をまとめて一冊にしたのではなくて、本にするに辺り新しく書き下ろしたもので、残念だった印象が残っています。

もう一つは、なんの剣だったかな?
シャナラの剣ではなく、うーん。
無口なというか、喋れない男の子が自転車に乗ったまま、別世界に入り込んでいって、乗っていた自転車が馬に変身するんですよねー。普段からその子は、自転車になんか格好いい名前を付けてたのが印象的で。
引っ込み思案みたいな感じで、友達もいないんですよ。
でも、その男の子は異世界にいって、魔法の剣を手に入れて。敵の少女と恋に落ちて、戦うことになって、彼女は死んでしまうんですが……。
その男の子は現実の世界に戻ってきて、最後ちゃんと言葉を喋れるようになっているという……。
思えば異世界迷い込みもので最初がこれだったのかな? それとも、ナルニアだったけ?

「光車よ、まわれ!」懐かしい時代の物語です。
小学生の少年少女たちが、水魔人の手から町を守るために、町のどこかに隠されている「光車」を探すアドヴェンチャー。
あ、そう言えば「コーンウォールの聖杯」だ。あれも子供たちが、悪漢たちと競い合って、町中を走り回って暗号を解きながら聖杯を探すんですよねー。その続編は残念ながら、図書館にもなくて読めてないんですが。

当時、自分の小学校だった頃を思い出しますね。
給食当番とか、夕方だから女の子たちは先に帰らなくちゃいけないとか制約があったりして。
正直町の危機に悠長なんですけど、それが「小学生」の立場ってやつなんですよねえ。
主人公の子供たちも家庭の電話でやりとりするんですよね。あの当時は、それしか連絡手段がなくって。
今だと携帯電話があるから、本当にご都合主義よろしくいつでも連絡とれるんですが、作戦会議を秘密基地や友達の家で開いたりして、当時の思い出が詰まっている感じです。
あの当時、子供たちのそうした話も多かった気がするなー。
「ぼくらの七日間戦争」が代表格でしょうか?
なんだか、「はあどぐみ」とか「まりんぐみ」だとかの、少年探偵団(みたいな)三十分のドラマ番組もあったと思ったけど。
あの頃、そんな冒険はなにもなかったけど、それは今思い返せばのことで、五つも電車を乗り継げばそれは結構不安だったし、大冒険だったんだろうな~。そんなの今じゃたいしたことはない。
世界中ある程度の場所なら、いけるんだもんなー。それなのに、海外に一度も行ったことがない小心な私。

とにかく、昔の思い出に浸れる物語です まる

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ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還

やっぱいい~、感動ものです。
私は思いあまって、アクセサリーの一つの指輪を買ってしまいました。もっとも、人前ではつけられないですけど。
すっごく目立つしー。隠れて首にかけておくのが多いです。
ガンダルフをイメージしたシルバーリングもありますが、エルフの三つの指輪も欲しい。
最後の灰色港でガンダルフがしてた赤い指輪。

DVDをようやく見ました。もちろん、すぺしゃるえくすてっどえでぃしょん。緑、赤、青と三つ並ぶとさすがに壮観ですね。通常版の三巻セットも欲しくなってきます。
なんせ、追加映像が50分。十二時から観て、四時までエンドレス。
時間をとれないと観るのも大変な超大作ですからね。
ぶっちゃけ、六回に分けて公開してもおかしくないですし。
これを観るのも実に一年ぶりなのか~。感無量。映画館で二回観たけれど、三度目も感動は変わらない。
ガンダルフやフロドにサム、アラゴルンやアルウェン。
正直、原作は二回読みましたが、読みにくいんですよね。新訳も出ているようですが、昔話を語るような優しい口調が長々と風景を説明したりしていて、読み進めるのが辛いところもあるんですよね。わかりにくいところも多いし。
実際、二つの塔って、原作ではなんのことかわからなかったんですが、映画を観て理解できたことも多かったです。
ピータージャクソンは凄いっすねー。
ホビットの冒険もいずれ映画化するのでしょうか? 版権がどうとかもめてたような気がしますが。
ホビットの冒険は児童文学ですが、そのつもりで指輪物語を読むと、大変なことに(笑)。

四年も掛けた超大作ですから、そりゃあ、観る側だって思い入れも多いってもんでしょう。
とはいえ、オーディオ・コメンタリーを全部観るのは辛いですよね。こっちも吹き替えならいいんだけどなー。
今までの追加映像って、どこか蛇足感もありましたが、違和感なかったのですが、ちょっと今回は違和感が多かったかも。どくろの雪崩はホラー監督の趣味かしら?
大期待していた、ファラミアとエオウィンのツーショットがあって嬉しい。あの二人は本当にお似合いですよねー。
エオウィンも大活躍だし。少ないと思っていたファラミア、メリーとピピンの出番も増えてたし。

終わってしまって本当に残念だな~。
今度また、原作よもっと。

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オーシャンズ12

えー、なにそれー!? いや、もちろん評判を知っていて見にいったんだからしょーがないんですけど。

今夜は雪ですね。
自転車で行くわけにはいかないので、帰りはタクシー。金曜日はメンズデーで安く上がるのに、高くついてしまった……。

今朝のニュースで、ジョージ・クルーニーがブラッド・ピットと二歳しか歳が違わないと知って驚いたけれど、それがネタになってたのはなんともはや。もちろん驚いたけど~、確かにジョージは渋すぎる。いぶし銀が効き過ぎて、老けているように見えても仕方ないですねー。
なにせ、その渋さがたまらんのですよ。私は「ピース・メーカー」が一番好きですね。バッドマンも見たし。
ただ、ファンなのに他の映画を見てない(笑)。「ディボース・ショー」や「ソラリス」に戦争映画とかも見てない。
オーシャンズでは、増量しているので太ってるんですよねー。役作りとはいえ、ちょっとなー。
ピースメーカーのときのように、車のボンネットの上を滑って欲しい!
吹き替えなら、小山力也にお願いしたいですね!

内容はと言えば、
なにやら、時間軸が前後して「?」だし、アメリカンジョークについていけなくて「?」でした。意味がわからないことが時たまありました。
誰も笑ってなかったし?
伏線が随所に光っていましたが、なんとなく不完全燃焼。
ドリームチームっていうか、もうこんな豪華俳優陣が揃っているのは見ることはないんだろうなー、隠れキャラ(?)も確かに凄かったし。
とはいえ何より残念なのが、前回のようなチームワークとか、各キャラの役割分担とか、そういうのが無くなっていて、脇を固めるオーシャンズの面々が光らなかったのが残念無念。
そういう映画じゃなかったねー。前回の、チームワークとか見ていてすごく気持ちよくて好きだったんですが……。
そういえば、ブラピとジュリアは「ザ・メキシカン」、ジョージとキャサリンは「ディボース・ショー」で競演していましたね。……世間て狭いのねー。
特筆すべきは、ダンサーなナイトフォックスかな。

アレキサンダーも長い割に、あんまり面白くなさそうだなー。
きみに読む物語は、自分の中のイメージを壊したくないので、映画は止めておきます(笑)。
というわけで、マット・デイモンの「ボーン・スプレマシー」が最優先事項でしょーかね。
時間があったら、アレキサンダーも~。

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STAR EGG 星の玉子さま

どう考えても、星の王子さまのパロディなタイトルだなー。作中では、玉子「さん」で通してるんだし?

文藝春秋 森博嗣 作・画

絵本かー。近頃では、大人でも楽しめるという絵本が人気ですよね。
有名ななかにも海外から入ってくるものもありますよね。
私が持っている絵本と言えば、エロール・ル・カインの「サー・オルフェオ」と以前も書いた「フェアリーテイル」くらいかな。「星の王子さま」は絵本なのかな? 「マツの木の王子」は? 「チャスとリサ、台所でパンダに会う」は児童書としては扱われてなかったな~。

小さな星を旅する玉子さんと犬のジュペリのお話。
ジュペリはやっぱし、星の王子さまの著者からとったのかなー? ウェルシュ・コーギーだと思う。可愛い。
巡るちいさな星々のエピソードとイラストがページごとに描かれています。
なんだか楽しいエピソードが描かれているのですが、実はそこに科学のなぞなぞが潜んでいるのです。
どれも重力、引力に関する問題で、けれどこんなに小さな星が実在するはずが無く、頭を悩ませてしまうのです。
問題を解いたら次のページへ。解答は最後の解説にのっているけれど、最後までお預けよ。
しかして、そんななぞなぞも後半も過ぎると、道徳的なお話になりますね。
重力、引力のくびきから解き放たれた人間たちは一体どこまで行くのでしょうか?
引力って、人間も持っている力なんですって!
ってことは、人間自身も引きつけ合っているんだなー、なんてことを思いました。
けれどまだ、私は誰も引きつけていませんね……。
孤独だ。
私はそれも結構嫌いじゃありませんけどね。寂しいのは辛いけれど、孤独はあんまり辛くない気がする。
孤独だから寂しいのかな? でも、そういうのが煩わしいときってあるし、逆に孤独だったり寂しかったりそういうのがあると、人に優しくできる気がします。
ただし、溝は埋まらないし、壁も越えられない。そういうのはやはり、時間が必要なのだと思う。たとえそれが一方的なことでも。

宇宙の話は昨今多いわけですが、やっぱし「プラネテス」は良かったなー。そのうち、原作もと思っているのですが。
「プラネテス」の後番の「二つのスピカ」もなかなかどうしてよさげです。
ちょっと古い感じが引けていたのですが、なかなか面白そうです。

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MOMENT

真っ青な表紙が印象的で、思わず買ってしまいました。

集英社 本多孝好・著

先日Amazonで購入したのが、
「古書店めぐりは夫婦で」「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」「Fake」「光車よ、まわれ!」「マツの木の王子」
本日発送された様子。明日到着だー。
にもかかわらず、今日買った本。
「STAR EGG」「アキハバラ@DEEP」「FINE DAYS」「君の名残を」

十冊か……。週に一冊読めればいいほうなのに、いったいどうするんでしょ~。
でも、幸せ。
あ、「うしおととら 六」があった。
食事のための卓の上も下も本で一杯です。
飯を食う場所が、次第に狭くなっていくー。

「MISSING」も欲しいなー。
石田衣良の「池袋ウェストゲートパーク」を思い出しました。池袋のトラブル解決のマコト。

病院内で、最後に一つだけ、必ず願い事を叶えてくれる人物がいる。
そんな不思議な噂が、患者たちの間で囁かれていた。
アルバイト清掃員の学生が垣間見た、その病院の伝説とは……。

という、お話。
話は全部で四つ。
FACE、WISH、FIREFLY、そしてMOMENT。
清掃員の神田君が、死ぬ間際の患者さんたちのお願いを叶えていくのですが。
しかして、かなり後味が悪い話が続きます。
人生に希望のもてない患者さんたちのお願いを叶えていくお話。
神田くんは、自己満足とか、同情とか、そういうことで患者さんたちに接していくわけではありません。
ボランティア精神、というものではないのでしょうか。もちろん、報酬は受け取っているのだけどね、頑固なところがあるようで、人生で損するタイプですよね。
ボランティアか。昨今とても言われていることですね。それが、義務とか、しなくちゃいけないことになると、結局続かないみたいですが。無報酬なわけだし、強制できるものでもないのでしょうが、なんの義務感もなければやっていけないのでしょうね。親切というのとも違うし、博愛精神というのも違う気がする。
私などは所詮、思い出したように募金箱に小銭を入れる程度です。
偉いな、と思うのですが、彼らは尊敬されたいなんて思っていないんだろうし(そういう人もいるんだろうけど)、精神的に満たされるのだろうかと思ったりする。
ようするに、人それぞれなのだから、私がどうこう憶測することではないわけで。
私は自分がそれを納得してできるかというと、もちろんできないわけで。はたして、被災者になったときは天を恨み人を羨み、ただ救いを求めるのみになるのでしょう……。
それなのに、救命具一式を用意するでもなし。
あれって、水とか食料の蓄えとかって、いつまでも保つものではないから、どうしても取り替えなきゃいけないわけで、それがどうしても億劫になるんですよねえ。そうして、やっぱり後悔するんだろうな……。

神田くんは、自分が納得しないことはしない。ようするに、お人好しなんですよね。
人のために一生懸命出来る訳なのですが、その人のために頑張っても、実は患者さんの復讐に手を貸してしまったりして、事実裏切られてんじゃないかって思います。それこそ、神田くんが救われない。
正直救われないし、虚しいばかりになります。もちろん、いい話もあるんですが。
人は本当に苦しい立場になったとき、その本質が試されるわけで。
その時、自分が少なくともみっともなくないように平然としていられるかどうかは、本人の矜持次第でしょう。
僕なんて読んでない本が山ほど合って、未練たらたらでしょうねえ。
さすがの神田くんもどうにもできないでしょーなー。

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MATEKI 魔的

「きみに読む物語」でノアの趣味が詩の朗読なんて、めちゃくちゃかっこいい。知的な感じがするし、それを読む声が素晴らしいときたもんだ。そりゃあ、女の子だって参っちゃうってもんです。

PHP研究所 森 博嗣・著

私は自分に詩の才能がないことはわかっているのですが、それでも憧れてしまいます。しかして、詩なんてなにがいいのだろうと、いまだに理解し難い部分もある。
ようするに歌詞なんだけど、歌があれだけ大衆に受け入れられるのは、音だけではないはずで、その言葉に込められた思いを表現する方法があるからだと思うのです。
でも、音楽に乗せられていない詩とはなに?
文学部で卒論に詩集を提出したと聞くと、どんなものを出すんだとぶっちゃけ思っちゃうわけです。私は理系だったので、一年間ずっと実験室に詰めてましたから~。
だから、ちょっとどんなものか見てみたい。まさか、原稿用紙1~2ページで終わっているはずもないし。
私はど素人なので、その詩に韻が踏んであるとか、言葉に気をつけているとか法則性とかあるんだろうなあっと、漠然と思っています。で、結局なにを研究して詩集なわけ?(ってひがみじゃ~ん)

というわけで、詩集です。
そんな私もちょっと好きなのが、森博嗣の「MATEKI魔的」。
このかたは理系博士なんでしたか? いろいろと日記が書籍としてでていたり、昨今では大変有名ですよね。推理小説もあります。
私は友人の勧めで知ったのですが、「すべてはFになる」「冷たい密室と博士たち」を読んだものの登場人物の萌たん(!?)に引き引きで、二巻で止めました。
財閥の一人娘で先生におしかけ女房気取り(結婚したんだっけ?)、天然炸裂美人女子大生。恐るべし萌絵たん。私は彼女が好きになれなくて、このシリーズのヒロインなので次の巻にいっても、ずっとでてくるでしょうからー。
まあ、登場人物が気に入らないんだから、しょうがないですねー。
話の内容は面白かったんですけど、密室トリックが難しくてー。私は距離感をとるのが下手で、距離を言われても認識できません(?)。7メートル先と言われても、そこまで歩いていくことに自信がありません。「何メートルくらいだった?」と聞かれても答えられないんですね。
車もしかり。乗りなれていても、車間距離があいまいで、車庫入れなどは戦々恐々としています。
だから、文章で部屋の間取りとか説明されても、いまいち部屋の展開図が頭の中で組み立てられず、密室トリックは推理小説の中でもかなり苦手な分類です。

にもかかわらず、この方の作品をなんとか読めるものがないかと探していました。
そうして見つけたのが、詩集。「待望の初の詩集」とうたっているのですが、本当に待望の詩集です。
いままでいくつもの詩を読んできましたが、特に短いほうがいいようです。
急いで全部読む必要はないわけですから、実家に置きっぱなしでもどったときだけ、拾い読みしたり、いくつか読み進めています。拾い読みだと、何を読んで何を読んでいないか忘れてしまうので、最初から順番に読むようにしました。
お気に入りの詩もあります。
共感できるのです。波長が合っています、どこを読んでも心に響きます。もちろん、意味はわかりませんが、詩がはなった小石は、私の心で波紋を起こします。そのとき、詩は明らかに私の中で何かに変わっています。

「最後の呪文を唱えてごらん」が特にお気に入りですね。
ついでにいうと、まだ全部読み終わっていません。まあ、詩集は全部が全部を一度に読まなくてもいいと思っていますから。
「狼の歌」は荒野が美しいと感じる。
詩になにをかくかわからないです。
小学生のとき、虹とか星とかを題材にしてみたことがありますが、隣の女の子は雑巾を詩にしていました。
今思い返しても、私の感性は全然なんだなーと思います。

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きみに読む物語

驚いた。これはなに? 誰も死なないのにこんなに感動するなんて、信じられない。
いや、誰かが死んで泣くのは、それが悲しいからで、それって本当に感動したからなの? ということなんですが。
「世界の中心で愛を叫ぶ」は、しかも泣かなかった。

アーティストハウス ニコラス・スパークス

新潮文庫ででていたんですね。
まあ、修正入っているようなので、いいか。というか、心に響く一品でしたのでなんでもいいから素晴らしいとしか言えない。
「結婚式」という続編が出ているという話で、是非ともそちらも拝読したいものです。
英語は苦手なので。
原文で読めないというのは、ある意味不幸なことではあるよーです。訳者によっては表現が変わってきてしまうと言いますが、読めないんだからしょうがない。
自分を弁護して、とりあえず日本語になっていれば、感情移入して読めるということですよ。
だいいち、英語が流れるように入り込んでくるなんてことは、相当鍛錬が必要なことでしょう。
第一、直訳がせいぜい。
プロが訳した日本語というのは、もちろん語彙や表現力があるはずで、英語ができたってそうした能力に欠けているならば、原文を読んでなにが楽しいのだろうかと思うのです。
まあ、そんなことはどうでもよろしい。
学生時代に「マディソン郡の橋」「スローワルツの川」「ボーダー・ミュージック」を図書館で借りて読みました。マディソン郡の橋はあまりにも有名ですね。
どの作品の男性も、野性的で精悍だった印象があります。ただ、その頃の私はそこまで感動しなかったと思います。まだ、感じるべき琴線が何もなかったのですね。経験値がたりなさすぎました。今も低い。読書によって、人生の経験値を埋めようと躍起になっている今日この頃(?)。
「スローワルツの川」は、愛し合った女性がある日突然いなくなってしまって、男のほうが彼女を追っていってしまうのでしたか。その女性も複雑な過去を背負っていて、最後どうなったのか覚えていません。
「ボーダー・ミュージック」は、この主人公が格好よかったのですっごく印象に残っています。名前まで覚えてるし。そう、ジャック・カーマイン。ゆきずりの女性と恋に落ちてしまうんですよね。確か女性の母親は反対するんだけど、女性はロマンティックで奔放な彼に惹かれてついていくんです。が、ジャックには戦争を経験したために精神にトラウマを抱えていて、結局上手くいかなかった、という話だったと思います。

危険な男は魅力的だけれど、女を幸せにすることは出来ないわけですね。
昔、友人が手紙に書いてよこした一文を思い出します。
「男は強くなくては生きていけない。優しくなければ生きている資格はない byチャンドラー」
チャンドラーって誰? と、当時は思ったものだが、今わかった。フィリップ・マーロウの、レイモンド・チャンドラーだったのか!! 私は当時、その本を読んでいなかった。以前読んだが、気づきもしなかった。
彼は今どうしているのだろうか? 厳格な父親になっているだろうか?

きみに読む物語は、マディソン郡の橋とは対照的です。年齢が違うし、家を訪れるのは男ではなく女のほうです。
冒頭、十代の頃の初恋の思い出。二人は別れてしまいますが、それでも互いに十四年間ものあいだ忘れずにいた。
そして、十四年目の再会。そこでもう、涙が出た。
あとはもう、引き込まれるだけ引き込まれた。
惹かれあう二人の姿に釘付けで、どうしようもない。
時に「噛み締めるように読んだ」「1ページ、1ページ、大切にめくった」とかいう、書評を見かけるのだけれど、それがどういうことかわからず、ただ格好付けているのではないかと勘繰ったこともあった。そんな感銘をうけたことがないから、ただのひがみだったらしい。
私は自分が今までそんな本に出会ったことがなかっただけだった。
1ページ1ページを大切にめくったし、一文一文を繰り返し読み返すこともしばしば。章の区切りでは、一度本を閉じて内容を反芻することすらも……。

わたしはありふれた男だ。でも、全身全霊を傾けて愛する女性がいる。いつでも、それだけで十分だった。
そんなノアという男は、どう考えてもありふれた男ではない。美形だとか、そういうのではなく、男前というよりも、男らしいというほうが当てはまるのだとおもう。しかも、詩を朗読して女性に聞かせることができるなんて、かっこいいとしか思えない。おまけに相手のことを気遣うことが出来て、情熱を持っていて、時期を見ることが出来る。
こんなかっこいい男が、ありふれているはずがない。
そんな彼を育てた父親は、あまり姿を見ることができないが、やはりかっこいい男なのだ。その強さは、しっかりとノアに受け継がれている。

そんな男に愛されるのが、アリー。こちらは美しい人である。別れ離れになった後、彼女はずっと彼のことを思っていたけれど、家庭環境のためか彼を忘れることを決め、ある男性と婚約する。しかし、結婚を前にしてノアの所在を知り、いてもたってもいられず会いに行く。
行動力があり、芸術家であり、絵の才能がある。だからこそ、ノアの詩の朗読にも感銘を受け、自然の美しさに感動できる美しさの持ち主。
彼女は母親とは折り合いがよくない様子だが、彼女の母親はそれでも娘を愛していたことがわかります。そして、娘のことをきちんと見ている。階級の違うノアを好いてはいても、その違いに線を引く。しかし最後は、アリーに対して無理強いはせず、選択する権利を与えてくれたから。

物語はアリーが、ノアと婚約者ロンのどちらを選ぶかで、答えを据え置いて四十年後に移ってしまいます。
その四十年後に切り替わってしまいます。二人の運命に熱くなり、高鳴っていた私の鼓動は静かに冷めていってしまいます。
けれども、ノアは変わらずアリーを愛している。ノアは病床のアリーにそれが届いているのか不安になるときがあり、老いを感じずにはいられない。死ぬ最後の瞬間まで、アリーを愛し続けようとするその姿、忍耐に感銘を受けずにいられない。
そして、アリーが病に伏せる直前にノアにしたためた手紙。ノアはそれを読むのをずっと先延ばしにしているのですが、それがついに開かれたとき、アリーの愛で私は涙が止まらなくなってしまいました。
ずっと、ノアの六十年間の愛の大きさを見ることができた。けれど、物語の中ではアリーの愛の大きさはいまいち量れないところがあったのです。
その最後の手紙に彼女の愛の大きさが溢れていました。

是非とも、続編の「結婚」にお目にかかりたい。
ノアの父親ぶりと、アリーの芸術家としての姿、そして二人の子供たちのことを。

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ふしぎな図書館

羊は男の子かとおもったら、男でした?

講談社 村上春樹・佐々木マキ

Amazonで宣伝していたので、気になっていたのですが、ネットで購入するのは見送っていました。
けれど、本屋で見たとたん手にとって購入していました。
「1400円? 高っ!?」
と思ったのは、読もうと本を袋から出してから。
だって、文庫本サイズなんだもの。まあ、ブックケースもついていて手に取るとふわふわなんですけどね。ケースから出しても、装丁からして優しい感じ。

図書館は好きです。
高校時代は、三年間ずっと図書委員だったし図書委員長だって勤めたくらいです。
でも、あの頃読んだ本はたかが知れているなあ。
学生時代はそんなに本を所有するということにこだわりはなかったので、図書館で借りた本を読んだものです。購入していた本は、ほとんどライトノベルだったのがつくづく悔やまれますねえ。
本屋も好きですが、立ち読みしてても気にしなくて良い図書館は静かにしていれば良いし、それはぜんぜん苦にならない。でも、やっぱり自分の所有物でないというのはでかいと思う。
というか、書斎が欲しい。もっともっと、多くの本が欲しい!! いつ読むんだってことはありますが。
そういう妄想はさておき。

図書館の話といえば、「図書館警察」が学生時代の私には衝撃的でしたね。あの頃は「ランゴリアーズ」とか「ニーズフルシンキング」など読みましたねえ。面白かったし。
図書館警察がとっても不気味だったのは今でも記憶に新しい。
本を期限までの返さなかった少年。図書館の裏で、<図書館警察>に暴行を受ける少年はその恐ろしい記憶を封じ込めて、知らず知らずのうちに図書館を恐れたまま大人になる。そして、その封じ込められた恐怖をすすりに現れる怪物……。
とか、そんな話だった気がします。

なんとなく、この「ふしぎな図書館」に通じるものがあったので、思い出しました。
大人のためのストーリー
魅力あふれる絵
と、書いてありますが、大人のためのストーリーってなんなの?
そんなことを考えて本書を書いていたのかはなはだ疑問なのですが?
というか、相変わらず意味があるのかないのかわからないお話です。
これなら「チャスとリサ、台所でパンダに会う」のほうが楽しかったなー。
ヘンゼルとグレーテル? グリム童話といっていいのか。なんだか後味も悪いお話です。
絵は楽しい感じなのに、ブラックでダーク。
それとも、勘繰ってしまうのは大人だから?
子供が読んだら面白いのかな? ……面白くないよなー。それにめでたしめでたしとは思えない終わり方だしー?
考えるだけ、無駄なのか? 解釈を読者に任せるにしても、解釈しようがないよーな?
相変わらずいろいろと考えさせられてしまう。いろんな意味で~。
羊男は可愛らしい感じ。でも、懐かしい羊男って、なんのこと?
以前にも村上作品に登場してたのでしょーか?

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ファイナル・セーラー・クエスト 完全版

ダンジョンクエスト? RPG? よーするに、ギャグだよね。

角川スニーカー文庫 火浦 功・著 初出が1995年という古さ。つーか、十年前かよ。

この方の小説でまともに読んだことがあるのは、これだけ。
以前TheSneaker誌で、ガルディーンのシリーズが連載していたのを読んでいたこともあるけれど、本当にこれだけだったり。他にもなんか欲しい本があったのですが、タイトルを忘れてしまいました。
永遠に探し求める本になるのか……?
出版業界は忙しなく、本が瞬く間に消えていく……。
けれど、買い込んでいくとかさばるものだから、もうどうにもならなくなってしまって、床が抜けてしまうこともある。
古本屋があるからまだ救われるものの、古本屋では欲しいものが必ず手にはいると言うこともない。
ただし、時折驚くべき偶然によって、出会ってしまうこともある。
それが古本屋の醍醐味なのでした。

そうして私は、「ゴーストドラム」も手に入れたし。あとは「砂漠の物語(うろ)」も欲しいんですよねー。福武書店でベストチョイスという、海外の児童向けがたくさん出てたんですよねえ。「アンパオ」とか他にも好きな話がたくさんあったんですが、小学中学生には結構高かったので、図書館で借りた記憶があります。
あの頃はお金がなかったから、図書館の本で十分満足できたんですけどねー。
他にも出会い、再会を期待している本はたくさんあるのです。

そんなことより、FSQ。
なぜか日本のどっかにあるらしい、ダンジョン都市。そこだけ日本の異世界と貸しているんですけど、なんのためなのか学校がそのダンジョンの真ん中にあって、生徒たちは命がけでそこに通うんですよねー。
なんでか知らないご都合主義的な設定ですが、私はそういうのが大好きです!
栄養ドリンクが回復アイテムだったり、お寺のお守りがパラメーターUPのお守りだったりすんですよねー。
そんな中、平和なよその街から引っ越してきた、永井のりこが主人公。
おとぼけ天然炸裂の難ある癒し系の方向音痴、マイペースいこーる超楽天家。冒険者レベルは1。特技も何もないため、迷っていたところを出会った高レベルのクラスメイトに助けて貰うことに。
その後も戦う術が身に付くはずもなく、ひたすら低レベル。わけのわからないことに首を突っ込み、クラスメイトたちをトラブルに巻き込んでいくのでした~。
しかし、そののりこは実はモンスターをてなづける才能があったのです。その全貌は明らかにされず、ちらりと最後に触れられる程度で本は終わっちゃうんですけどね~。
実にらしいと、クラスメイトの美人がいうのですが、あの締め方が、スバらしい。

こののりこが、おとぼけ炸裂に物語をすすめていくのですが、短編集って感じで、軽く読めます。
はっきりいってくだらないです。でも、面白いので、長編とかも出たら嬉しいなーと、無駄な期待を抱いています。
もう、絶対に続編も出ることはないでしょう。この作者のことですから。
印税だけで食っていけるだけのものは稼いでいるんだろうなー、などとうがった考えをしてしまったりして~。

似たようなところで、「小娘オーバードライブ」という話があります。
典型的一般人の女子高生がパワードスーツを身に纏う、時給五百円の正義の味方のアルバイト。作者誰だったかな?
あれも面白かったです。長編が出てあとがなくなったけど。
今もう、絶版なんだろうーなー。

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顔 FACE

以前、仲間由紀恵主演でドラマが放送されていました。その原作。

徳間書店 横山秀夫・著

なんで買ったのかと聞かれれば、ドラマを見て面白かったから。
というか、仲間由紀恵の「まるっとお見通しだ!」がお気に入りだったから。
しかし、もちろんノリが全然違うんですけどね。
横山秀夫先生の作品は、事件に焦点を当てた内容のものが多いですよね。人間の尊厳というのでしょうか。
今までこの方の作品は拝見したことがなかったので、試しに購入してみました。
短編が収録されている造りですね。

本当は、「グラスホッパー」の登場人物が読んでいた「罪と罰」を読み始めているのですが、上下巻で長いので寄り道しました。「半身」も読みたいんですけど、こっちは実家に置いて来ちゃったから。

今回は、警察署内の女性の立場に焦点を当てて書かれているようです。
まあ、別に湾岸署を期待していたわけではないのですが、まあどんな仕事も悩みは同じってことなんですかねえ。
男も女も立場は同じだけれど、やっぱ立場や配置によって職性が違うこともあるし、正社員とパートの違いとか、私の職場でもあります。
正社員がなにを言ったって、パートさんたちに何が伝わるのかって。

元・似顔絵婦警平野瑞穂が主人公。
ドラマの最初では、おじさんだか父親が警察官で、自分もなったとか言ってた気がしますが、後に孤児であることが判明(?)。油絵の女性が母だったという設定がありましたね。
まあ、そこまでドラマティックな設定は小説ではなかったので、ちょっと物足りない感じ。エピソードはいずれもドラマで見たもの。
オダギリジョーは出てこなくて、残念(笑)。
瑞穂は正義感が強くて、けれど仕事のことで落ち込んだり、嫉妬したり、仕事の悩みも尽きない様子。エピソードのそれぞれもちょっと落ち込む内容が多かったりして、くらくなってしまいました。
ドラマであった「顔」の講釈みたいなのもなかったし、「あなたの顔がみえてこない」といった印象的な台詞も小説には登場しませんでした。

ドラマを見た後に原作を読むと拍子抜けすることもありますよね。
近頃のメディアミックス(?)の弊害といえば、こういうところなのかなあ。
作中のトリックも、ドラマで見ているとわかっちゃうし、かといって、その逆でもやっぱり興ざめなんですよねー。
どっちが面白いかというのもあるし、どっちかがどっちかのイメージを壊してしまうことも多々あり。
ダヴィンチ・コードも映画になる前に、読んでおきたいなー。
そういえば、魔女の宅急便がディズニーで実写映画になるとか?
……本当か?
ドラゴンボールやエヴァンゲリオンがハリウッド映画化とか言ってたけど、その後話は聞かないが?
「shall we ダンス?」や「呪怨」が逆輸入してくるので、まだまだ可能性はありそうですが、「インディ・ジョーンズ」の続編も立ち消えたようだし、「007」の役者も決まっていないし、ハリウッドもなんだかなー、ですなー。

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オペラ座の怪人

角川書店 ガストン・ガルルー・著

映画カテゴリだけど、予習に読んだ本なので。

というか、今朝から大変でした。
久しぶりに朝ご飯に卵焼きでもと、コンロに火を付けたら、燃える燃える。
普段の二倍の火力に仰天しました。昨日あぶったするめが悪いのか? そういえば、あごが痛い。
今日は午前中から映画を見に出かけるつもりだったのに、仕方がないので業者さんに電話。なにせ、ガスなので。こんなに火力が強いんじゃ、爆発でもしようものなら怖いし。夕飯はカレーを作るつもりなので、あんな火力じゃ危なくて使えない。
やってきた、業者さんは火を見て圧力がどうとかこうとか仰っていました。出たり入ったりを繰り返し、いつの間にか五人くらいに増えていて、アパートの外でもなにやらガスの調整をしている。あれよあれよという間に、八時に呼んだのに十一時を過ぎていました……。

仕方がないので、お昼過ぎに映画館に。
自転車で行ける場所ですが、歩きではいけません。
今日の風は格別だった……。自転車が前に進まない……。帰りはもう、足ががくがくでした。歩けねーよ。
という、普段から運動不足なのでした。

それはともかく、映画の「オペラ座の怪人」です。
もちろん、ご多分に漏れず私も期待していました。
というかずっとそう思っていたのに、書籍も舞台も見たことがないんですけどね。
四季の舞台も見にいきたいなあ。

書籍のほうは、あらゆるところから出ているようで。
角川、ハヤカワ、創元推理文庫、講談社からもでているのかな? 訳者によって変わってくるのが、こうした本の醍醐味でもあるのですが、名前の語感がはまるかどうかも重要なポイント。
たとえば、私はクリスチーヌよりも、クリスティーヌの方が好きです。
いろいろと読み比べたいのはやまやまなのですが、私は扶桑社の「ファントム」を積んであります。
これもいずれと楽しみにとっておいてあるのです。

最初に抱いていた話のイメージというのは、怪人とクリスティーヌの悲恋なのかと思っていたのですが、違ったのですね。
ラウルはお邪魔虫なのかと思っていました。
そう、「美女と野獣」なのかなあと漠然とずっと思っていたのです。
小説は著者の一人称、映画は年老いたラウルの回想という設定で進みます。
大部分の方が、白黒ではじまった映画が、時代をさかのぼり鮮やかに色づいていき、巨大なシャンデリアが輝くのに感動するそうですが、ご多分に漏れず私も鳥肌ものでした。
オペラ座の怪人のメインテーマとでもいうのでしょうか? あの曲が鳴り響き、否応なしに期待が高まります。
以前より、あの時代の舞台というのはどういうものなのかわからず、小説を読んでいても漠然としたイメージしかなかったのに、そこに明確な形が出来たことも感動でした。
舞台って、案外小さいんですね~。
四季のステージがでかいつーだけなのかもしれませんが、音楽もちゃんとオーケストラがいて生の演奏をしてくれるっていうのは、当時はあたりまえだったのに、今では贅沢にほかならないんですよね。

パンフレットは買わなかったのでわかりませんが、俳優さんたちは特にオペラ歌手というわけでもない様子。
クリスティーヌの歌はどこでも大絶賛のようですね。
映画のためにみなさん、相当な努力を積まれたのでしょうねー。俳優ってやはり選ばれた人間がなるものなのね。と感心しきり。
ラウルなどは原作では情けない顔だけの青年なのですが、映画だけあってか、活躍のシーンもあって格好良かったです。小説ではあれで良かったかも知れないけど、やっぱ映画になったらああでなくっちゃね!
ファントムの仮面の下の素顔ですが……、近頃のホラーやSFなんかでもっとグロテスクなのがいくらでもあるので、あんまりインパクトなかったです……。しょーがないよね、時代が時代だから(?)。原作では、顔全部が見せられない代物のようで? 骸骨みたいな顔だったと思うけど。
だから、映画のファントムは背負った悲哀がちょっと軽い気が……。逆側半分は、ナイスミドルなんだもん。

正直、ミュージカルは見たことないし、ミュージカル映画もテレビで「エビータ」を見たことがあるくらいなので、歌で話が進むのはテンポが悪く感じました。
これはただ私が慣れていないだけなんでしょうが、ミュージカルになると歌で登場人物の感情が表現されるので、シーンごとが長く感じるんですよね。映画だと表情だけで終わるんでしょうけど。
もちろん、歌は素晴らしかった。ああいうの、好きです。ウーピーの「天使のラブソング」も大好き。
ファントムとクリスティーヌが船に乗って地下水路を行くところなんて、幻想的で感動しました。
ラストのファントムとクリスティーヌとラウルの三重奏(?)も、それぞれが歌っていて、字幕が混乱しているのに、全然気にならなかったし!
歌は凄い。
クリスティーヌは、ファントムとラウルの間で揺れ動いていたわけですが、こういう場合、女性は安全第一、将来性を求めたほうが幸せになれるんですよねえ。
ファントムは自分を愛してくれる存在を欲していたわけですが、他人を好きになることもなかったのかな。
愛する存在に一喜一憂して、千々乱れて思い募らせ、それが手に入らないとわかり、一変して憎しみに変わった。
けれど、彼の心は彼女に届いていて、自分が受け入れられたとわかり、彼女の幸せを第一に考えることが出来たんですね。

「きみによむ物語」が話題のようですね。これも三角関係だよね? 原作はあるのかな?
映画は一人で見にいくの寂しいので、本にしておこうかな?

あっ!? ロード・オブ・ザ・リング第三部のDVDが発売中じゃん!? いっかーん!

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グラスホッパー

勢いで読む本です。とぎれとぎれでは、追いつけませんよ。
niftyのココログHPで、更新履歴に最初の一行が乗るようなので、一行コメントに凝ってみましょう。
いつまで続くやら……。

角川書店 伊坂 幸太郎・著

グラスホッパーってなんだっけ? バッタ?
と思ったら、作中にバッタの薀蓄が語られていました。バッタのことだ。
なにやら広い草原にまつわるイメージがまとわり着いていたのですが、どちらかというとどす黒い話に思えました。

私は会社の昼休みにいつも本を読んでいるのですが、今回のこれは失敗でしたねー。
この本は、一気に読むべきです。
だから、選ぶとしたら軽いライトノベルとか、短編集なんかが多いでしょうか? かといって、あまりにも分厚い本などは土日で読めるはずも無いので、持ち歩いて読むことも多いのですが。

この本の場合は、はらはらしながら読んでるのに、何度も何度も中断して少しずつ読んだため、高揚した感情が続くはずが無く、気持ちがブツ切れ状態でした。
やはり、本は一気に読むに限りますねえ。
まあ、最新最鋭最強というキャッチフレーズは少々やりすぎに思いますが、確かに面白い。

主な登場人物は三人。
素人でお人よしの鈴木、巨漢の自殺屋の鯨、軟派な殺し屋の蝉、の三人の視点から話が展開していきます。

一般市民の鈴木さんは、若いらしいのですがいくつくらいなんだろう? 奥さんを事故で亡くしたために、人生に迷って裏社会に足を踏み入れてしまうのです。
本当に普通の人で、人並みの良心を持ち合わせていて、特になんの特徴も無い。のに異質な登場人物たちの多いこの作品では、逆にそれが個性になって光っているように思えます。

自殺屋の鯨は、半ばホームレス状態。なのに、結構稼いでそう。顧客はなにせ、政治家とか有力者が多いらしいですからねえ。その巨漢から発する威圧感で、ターゲットは震え上がって自殺していくという恐るべき超能力(?)の持ち主。しかしてその実態は、今まで殺してきた連中に祟られているとゆー哀愁の人。
愛読書は「罪と罰」。そういえば、私はまだ読まずに積んであったけ……。

殺し屋の蝉は、息を吸うのと同じように普通のことのように人を殺します。自然にやさしいしじみが好きという、乱暴で頭悪そうだけど、そこがちょっと可愛いやつ(?)。
身体能力に優れていて、殺しなれているという物騒な男。殺しの仲介人に操られているような気がしている困ったちゃん。

私の贔屓は、鯨ですね。
背負っているものの重さが違う(恐)。やっぱ男は、後姿、哀愁漂う広い背中でしょう(?)。
取りついている霊たちは、鯨の妄想なのでしょうが、鯨の足を引っ張ったり、助言をしたりと、バリバリの霊媒体質?
を発揮しています。鯨の威圧感に怯えて人は自殺するのですが、どう考えても鯨をとりまいている霊たちが、殺しているとしか思えない。

以上の三名が、他の殺し屋たちも交えて、すれ違ったり対決したりと、裏社会を引っ掻き回すわけです。
とはいえ、感情移入できるような登場人物はいないんですけどね。
そういう裏社会の殺伐とした人間たちが、繰り広げるドラマに感情移入できたら、逆に怖いですけどね~。
鈴木をあごで使う、比与子は嫌いでしたね。この女こそ殺してくれって感じ? いやあな女です。
癒されるとしたら、二人の幼い兄弟くらいでしょうか?
鈴木も殺伐とした世界で出会った、二人の兄弟には思うところがあるようでした。
まあ、思うところがあっても、実行できないのが小心者の鈴木さんなんですけど。
鈴木さんにこそ、等身大の親近感を抱くはずですが、主人公にしてはヒーロー性がなさすぎます。それがこの作品の鈴木さんのポジションであり、役割なのですが~。

最後はきれいにまとまっていて、その後が気になる終わり方。
あの鈴木さんが、そのあと行動に移したのか、それとも諦める間もなく実行できなくなってしまったのか、大変きになります。前者に期待したいところですが、鈴木さんだからなー。

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