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グラスホッパー

勢いで読む本です。とぎれとぎれでは、追いつけませんよ。
niftyのココログHPで、更新履歴に最初の一行が乗るようなので、一行コメントに凝ってみましょう。
いつまで続くやら……。

角川書店 伊坂 幸太郎・著

グラスホッパーってなんだっけ? バッタ?
と思ったら、作中にバッタの薀蓄が語られていました。バッタのことだ。
なにやら広い草原にまつわるイメージがまとわり着いていたのですが、どちらかというとどす黒い話に思えました。

私は会社の昼休みにいつも本を読んでいるのですが、今回のこれは失敗でしたねー。
この本は、一気に読むべきです。
だから、選ぶとしたら軽いライトノベルとか、短編集なんかが多いでしょうか? かといって、あまりにも分厚い本などは土日で読めるはずも無いので、持ち歩いて読むことも多いのですが。

この本の場合は、はらはらしながら読んでるのに、何度も何度も中断して少しずつ読んだため、高揚した感情が続くはずが無く、気持ちがブツ切れ状態でした。
やはり、本は一気に読むに限りますねえ。
まあ、最新最鋭最強というキャッチフレーズは少々やりすぎに思いますが、確かに面白い。

主な登場人物は三人。
素人でお人よしの鈴木、巨漢の自殺屋の鯨、軟派な殺し屋の蝉、の三人の視点から話が展開していきます。

一般市民の鈴木さんは、若いらしいのですがいくつくらいなんだろう? 奥さんを事故で亡くしたために、人生に迷って裏社会に足を踏み入れてしまうのです。
本当に普通の人で、人並みの良心を持ち合わせていて、特になんの特徴も無い。のに異質な登場人物たちの多いこの作品では、逆にそれが個性になって光っているように思えます。

自殺屋の鯨は、半ばホームレス状態。なのに、結構稼いでそう。顧客はなにせ、政治家とか有力者が多いらしいですからねえ。その巨漢から発する威圧感で、ターゲットは震え上がって自殺していくという恐るべき超能力(?)の持ち主。しかしてその実態は、今まで殺してきた連中に祟られているとゆー哀愁の人。
愛読書は「罪と罰」。そういえば、私はまだ読まずに積んであったけ……。

殺し屋の蝉は、息を吸うのと同じように普通のことのように人を殺します。自然にやさしいしじみが好きという、乱暴で頭悪そうだけど、そこがちょっと可愛いやつ(?)。
身体能力に優れていて、殺しなれているという物騒な男。殺しの仲介人に操られているような気がしている困ったちゃん。

私の贔屓は、鯨ですね。
背負っているものの重さが違う(恐)。やっぱ男は、後姿、哀愁漂う広い背中でしょう(?)。
取りついている霊たちは、鯨の妄想なのでしょうが、鯨の足を引っ張ったり、助言をしたりと、バリバリの霊媒体質?
を発揮しています。鯨の威圧感に怯えて人は自殺するのですが、どう考えても鯨をとりまいている霊たちが、殺しているとしか思えない。

以上の三名が、他の殺し屋たちも交えて、すれ違ったり対決したりと、裏社会を引っ掻き回すわけです。
とはいえ、感情移入できるような登場人物はいないんですけどね。
そういう裏社会の殺伐とした人間たちが、繰り広げるドラマに感情移入できたら、逆に怖いですけどね~。
鈴木をあごで使う、比与子は嫌いでしたね。この女こそ殺してくれって感じ? いやあな女です。
癒されるとしたら、二人の幼い兄弟くらいでしょうか?
鈴木も殺伐とした世界で出会った、二人の兄弟には思うところがあるようでした。
まあ、思うところがあっても、実行できないのが小心者の鈴木さんなんですけど。
鈴木さんにこそ、等身大の親近感を抱くはずですが、主人公にしてはヒーロー性がなさすぎます。それがこの作品の鈴木さんのポジションであり、役割なのですが~。

最後はきれいにまとまっていて、その後が気になる終わり方。
あの鈴木さんが、そのあと行動に移したのか、それとも諦める間もなく実行できなくなってしまったのか、大変きになります。前者に期待したいところですが、鈴木さんだからなー。

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