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半身

霊媒。ニコール・キッドマン主演の「アザーズ」と合わせると最強タッグかもしれない……。

創元推理文庫 サラ・ウォーターズ・著

去年話題になっていた小説ですね。
今日は朝から何を読もうかと迷っていて、結局この間買い込んだハードカバーではなく、文庫本のこれにしました。
お昼に例によって例の如くお昼寝して二時間ほどロスしたため、今日中に読めそうになかったので、第三部からはテレビで放映していた「アザーズ」を付けっぱなしで読みました。

「アザーズ」はホラーというかオカルト映画ですよね。
映画のトリックとしては以前にも見たことがあるものなので、驚きはしませんでしたが、本の内容も相まって怖いこと怖いこと、雰囲気を盛り上げてくれました。

倫敦の監獄を慰問に訪れた貴婦人が、不思議な女囚と出逢う物語。
一人称形式で、日記を読む感じで物語は進んでいきます。日記なのか、現実の描写なのかあいまいなところを浮き沈みしながらたゆたっていきます。
主人公は貴婦人のマーガレット。そして、美貌の霊媒師はシライナ。
日付が一つの区切りとして始まるのですが、最初は日記の書き手が二人いるとは思わず、てっきりマーガレットも裏で霊媒のアルバイトをしているのかと思っていました。
なにやらマーガレットは苦い過去があるようで、その出来事があったために霊媒を止めてしまったのかな、と。

過去の呼びかけと、未来へ進む日記が交互に綴られていきます。
物語の中で霊媒はまことしやかに真実なのか嘘なのかわからず、困惑や戸惑いのなかで暗く寒い監獄の中を紫の煙のように漂っている感覚。
現実ではなく、本のなかの出来事だから、その霊媒は真実かも知れない。現実ではあり得ないけれど、本の中なのだから、本の中では真実なのだ。
そんな風に思いこまされながら、マーガレットとシライナの絆が切々と綴られていき、なにがミステリなのかわからないままふらふらふらふら、監獄の中を彷徨うように物語に引き込まれてしまいました。
昨今のミステリは、ファンタジーも入っているので、霊媒も実在する能力として描かれているのかも知れない!

そんなこんなですっかり騙された私。
シライナのプレイボーイっぷりに唖然、呆然、愕然。
しかし、久しぶりに推理小説を読んだ気がする。
大きな事件が起こるわけではなく、マーガレットの心と慰問の様子だけが綴られている内容は、時々しんどいときもありました。確かに、京極夏彦を思わせます。
なんて無駄の多い話なのだろう。けれど、それで良かったのだ。
バッドエンド、バンザイ。
そのうち、「荊の城」も買おう。そのうち。

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