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月読

謎めいたタイトルに惹かれて購入しました。月の神の名前が神秘的です。表紙はチューリップです。

文藝春秋 太田忠司・著
HONKAKU mistery masters

月読、それは死者の最期の言葉を聴きとる異能の主。故郷を捨て、月読として生きることを選んだ青年、朔夜一心と、連続婦女暴行魔に従妹を殺され、単身復讐を誓う刑事、河井。
ふたりが出逢ったとき、運命の歯車は音を立ててまわりはじめる。

不思議な世界です。
私たち現実の世界に、月導という現象が起こる設定になっています。それを隠す組織やら、なんやらは存在はしませんが、実害はないのだろうか……?
月導とは、人が死ぬと起こる現象で、その付近になにかの物質や現象が現れることを指します。
月読の能力者は、その月導から死者が最期に感じた思考を感じ取ることが出来るのです。
土曜の夜から読み始めて、続きは日曜の朝にしようと思っていたのですが、それだけでは終われず。
深夜番組の「ギャラリーフェイク」が始まってしまったけど、それでも読むのを止められず、最期まで読んでしまいました。
「ギャラリーフェイク」、森川智之が渋い。主人公やってるとこ、はじめてみた。
って、なんかblogを書く日が、次第にずれてきているなー。

それはともかく。
文藝春秋でこの手の話を読めるとは思いませんでした。かなり異色ですよね。
そんな能力の持ち主というのは、ライトノベルの登場人物だけかと思っていました。
そういう意味では、世界観の広がりを考えても、長く続けていけるような気がしましたねー。
一回で終わらせてしまうのは惜しい世界観だと思いました。むしろ、長編よりもそういうの繰り返して事件を解決していくほうが、面白くなっていくんじゃないかなー。
分厚い本なのにすらすらと読めてしまうのも、読みやすいと言うこと。
いくつかの事件が平行に展開していきます。
登場人物に、高校生の男女が登場するのもライトノベルっぽいかも。
少年は克己と、少女は炯子。
克己はごく普通の少年ですかね。炯子はきっつい性格をしていて、若くして男を手玉に取っています。最近こういうヒロイン多いなー(苦笑)。
二人はある共通点に結ばれており、それを期に急接近、って感じでしょうか。
月の明かりも綺麗な扉絵がますますライトノベルっぽいかも。
でも、ぽいだけですが。
月導はダイイングメッセージの類に扱われるのかと思いきや、結構叙情豊かで趣がありますね。事件にどうこうというよりも、ほとんど無害で。能力者は異端ではありますが、実際に対して役に立つものでもないですしね。それなら、霊媒でもしたほうがよっぽど事件の解決に繋がりそうです(霊媒は存在しないけど)。
事件的にはどれもインパクトには欠けるのでしょうかね。
残念ながらもうちょっと重きを置いて、深く掘り下げてもいいような気がしましたが、そうもいかないよなー。
一心の黒衣装ぶりは、どうにも京極を思い出してしまいます。
あの雰囲気は、とっても好きでしたが。

最期の追い込みは、ちょっと目が離せません。

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Comments

北風さん、こんにちは。
先日は『月読』の記事へのTBをありがとうございました。
月導の扱い方、わたしも予想外でした。作品の雰囲気を作るために効果的に使われていますね。
この作品、シリーズ化できそうですね。もう少し知りたいと思わせる部分も残されていますから。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。

Posted by: とも | March 05, 2005 at 07:00 AM

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Tracked on March 05, 2005 at 07:01 AM

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