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ダ・ヴィンチ・コード

ナショナル・トレジャー、ギャラリー・フェイク、ようするにこの作品が引き金なのね。

角川書店 ダン・ブラウン・著

最近読んでないなー。
でも、最近の本って本当に長いんだもの。今回のだって、先週のも上下2巻だし。
シリーズもののファンタジーもそれこそ全然なんだなー。時の車輪シリーズが、五冊ほど残っている。
GWにどれだけ読めるかって思っているんですが、実家に帰ってるからこっちに積んである本は結局読めないんだよな……。

話題になって、ダ・ヴィンチの特集番組とかも多かったし、映画の主演がトム・ハンクスって聞いてたんで、どっちかっていうと推理小説っぽいのかなあって思ったんですけどね。
そう、高田崇志「QED」のシリーズみたいな感じかなって。
本当は前作の「天使と悪魔」も買ったんですけど、さきにこっちを読んじゃった。
作品内では思い出程度にしか語られないんだけど、ちょっと気になる。
すでに新作の「デセプション・セブン」も発売されましたが、今度のは政治の世界が舞台みたい?
まあ、他にもあるし。恩田陸のピクニック本も欲しいしー。なんだか、ナルニアの新装丁版も出てきたし。
もーすでに、読みたいじゃなくて、欲しいになってる……。

それはともかく、こういう危ないことをしているわけじゃなくて、戦うわけじゃなくて、ただなんとなく殺伐としたものではなく、探求するだけ、っていうか……?
だって、「ナショナル・トレジャー」じゃんかー。映画になるってことは、トム・ハンクスもアクションまではいかなくとも、危ないことするんだな~と思って。なんとなく、主演している今までの作風とは違う、様な?
ただの思いこみだけど~。
ソフィー役がオドレイ・トトゥなのは、驚きだけど。この間の「ロング・エンゲージメント」が同じような作風だけど、トム・ハンクスと並んでいる様があまり思い浮かばない。雰囲気も違うのかな?

アーサー王伝説が好きな人は多いと思うけれど、私も何冊か読んでいる。
サトクリフとか。まだ読んでないのもあるし、読みたいと思っているのもある。
聖杯とかロンギヌスの槍とかも好きな題材ですね。
やっぱし、いろんな本を読んでいるとそれだけ、他の本の内容を深く知るための糧となる。
タロットカードの絵柄も好きなので、話に出てきたときはどんな秘密があるのかと期待もしたし。(タロットカードはなかなか気に入った絵柄が見つからないのが悩み)
そんなこと考えたこともなかったけれど、本の中にちりばめられた謎の数々に登場人物よりも先に気付くと嬉しいことしきり。
でもやっぱし、知らないことの方が多いから、振り回されっぱなしなんですけど。

芸術作品に秘められた、著者の真実。
でも、そんなの著者にしか真実はわからないよねえ。
作中にあるのもなんとなく無理があるような気がしたりする(笑)。深読みしすぎだって~。みたいな?
まるで、本の内容を深読みした「~の秘密」とか「~読本」とかみたいー。
歴史とかの学問ってそういうものなのかもしれないなー。

物語はサスペンスミステリー。
ルーヴル美術館で起こった殺人事件から始まり、ダ・ヴィンチの作品の謎から、死んだ美術館長の残した暗号を辿って、キリスト教の真実を探っていく。
奇をてらった展開と、まさかのどんでん返し。
一つのセクションがわりと短くて、さまざまな登場人物たちの入り組んだ話に、どきどきが止まらない。
大好きな聖杯伝説なので、楽しめました。ナショナル・トレジャーを見ていたから、似た様な展開になんとなく苦笑しちゃうけど、その辺はきちんと裏切ってくれました~。

本の最初に史実に基づいて書かれているって書いてあるけど、作中には「歴史とは勝利者によって書かれたもの」ってあるわけで、日本と中国で教科書の内容が大騒ぎしているのは、世界は一応平和ってことになっているってことでもないのか。手を取り合おうとしたのは表向きだけ? それとも結果を不問にしているってことなの?
どっちかが勝利しちゃってたら、どうにもならなくなるってこと?
国同士のこともそうだけど、宗教の派閥争いも、その歴史の中に解決策がないのかなあ。

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ルーンロード1 大地の王の再来

英雄ファンタジー戦記、ついに開幕! ってか?

富士見書房 デイヴィッド・ファーランド・著

確かにちょっと変わった戦記物だ。
はなはだRPGの能力値を小説に表現するのは難しい。
一番難しいのは<頭の良さ>だと思うだけれど、それは問題なく表現されている様子。
かなり複雑な世界観が広がっていて、困惑することも多い。
本の冒頭で「人権意識に照らして適切ではない表現が含まれています」とあるように。
それが日常なわけで、普通のことだから受け入れられるのかも知れないけれど、貧富の差だけでなく、人間の能力の差、階級をつくりだす。

この世界の最大の特徴としてあげられるのが、能力値を他人に譲渡することが出来る<変換棒>の存在。
このシステムが大変良くできており、作り込まれている。
受け取る側がルーン卿、与える側が賦与者と呼ばれる。
能力値は一人が人生に一回、一種しか差し出せないのだが、受け取る側はいくらでも受け取ることが出来る。
それぞれの五巻と、<筋力><持久力><品格><代謝><賢知><魅力><声>などがある。
<変換棒>は希少価値の高い物なので、もちろん権力者しか手に入れることは出来ない。けれど、能力値を受け取るには賦与者の同意がなければならないという大前提がある。しかし、それも<魅力>をつぎ込んだルーン卿の前では拒否もできないのですが。

能力値を譲渡した賦与者は、その能力を失ってしまう。
視覚や聴覚を与えると、盲目になり聾唖になってしまう。肉体に関係する能力を与えると、身体が動かなくなり寝たきりになり、<賢知>を与えると無知になり幼児に戻ってしまう。他は文字通りなのだけれど、
<賢知>は賢くなると言うよりも、記憶力が良くなると言うもの。
<品格>がいまいち良くわからない。魅力と同じ物かと思いきや、筋力を制御する能力のことらしい。品格が高いと姿勢がよくなるってことか? まあ、確かに見栄えがするかも。
そして、最大の能力が<代謝>。
新陳代謝の速度が上昇し、それだけ早く動くことが出来る。しかし、その分寿命も同じ速度でとることになる。
何十人もの代謝を受け取ったら、数ヶ月で老人になってしまう。そして、与えた方は仮死状態になってしまうのだ。
作中に描写はないが、きっと爪が伸びるのも髪が伸びるのも早いし、食事の回数や排泄の数も絶対に多くなっているに違いない!!

ルーン卿は、賦与者から力を手に入れたら、弱ってしまった賦与者を保護しなければならない。
なぜならば、賦与者が死んでしまえば、ルーン卿は手に入れた能力値を失ってしまうのだ。
敵は賦与者を殺そうとする。そう、それこそ無力な人々を。
他にも依り代とか、蛇の環なんて、面白いシステムがある。
もう、この作品での最大の特徴に違いない。

そしてやはりそこには、人権問題や権力闘争などが当然の様にある。
かなりモラルの問題があっちこっちにちりばめられている。
貧しい人々は、貴族たちに能力値を与えることで金銭や保護を与えられる。死んだりしたら能力値を失ってしまうのだから当然な行為だけれど、そんなことは無頓着な非道な王もいる。また、動物から奪う者もいる。
馬などは、同種の馬から能力値を与えられて、駿馬に変身する。

人間たちは、最初に生まれたときに初期能力値があり、それぞれ優れた能力値を貴族たちに差し出すことになるわけだ。
無情なことに、愚かで醜いお坊ちゃんに、魅力や筋力、賢知などを与えて理想の王子さまを創り出すこともできるのだけれど、性格だけはどうにもならない。
どうにもならない嫌な奴に能力値を奪われることになると、その人は一生酷い目をみて生きていかなければならない。
読んでいるこちらもどうしようもない不条理に憤りを感じることになる。

主人公グボーンは、そうした他人から力を受け取ることを快く思っていない好青年で、王子様。隣国の王女様に結婚を申し込みにいくところ。
大地の王となり、世界の危機から救う、予定。
なんだかちょっとできすぎな感がある性格。紳士で、しかも良識人。なのに鈍いところがあってそれが結構な人々を不幸に追いやってしまう、不遇な青年。
人格者なので、戦記ものの主人公にしては派手な戦闘を繰り広げるわけでもないし、感情の起伏が少ないので感情移入しにくい。
<大地の王>は、絶大な保護の力を持っている。大地を傷つける者には与えられない力。
それゆえに今後もグボーンは、戦うことはないだろうな~、と。

ヒロインのイオーメは、特に大きな力も賦与者たちもいないのですが、美しく聡明な姫君。
大王アーテンに<魅力>を奪われ醜女になってしまうのですが、グボーンの愛の支えで強く生きていくのでした。
最初っから救済処置がされているので、あんまり心配しないのですが。

そして二人の敵が、大王アーテン。
何千もの人間たちから、能力値を搾取する非道な王。ただし、代謝を貰いすぎると早死にするので、いざというときの大戦でしか代謝をもらわない。しかも、代謝を貰った後は、それ以上老化しないように、賦与者を殺してしまうという非道っぷり。
魅力と声もいくつも奪い取り、そのあまりの魅力と声に誰も逆らえないという徹底ぶり。
だが、それだけに身体のバランスをとるのも大変。
持久力だけあっても、重たいものを持ち上げられず、支えておけない。そのため、同じくらいの品格や筋力が必要になってしまう。
そんな大王の賦与者になってしまえば、不幸なのは目に見えています。
自ら死ぬことも許されずに、アーテンや部下たちに能力を与え、しかもろくな世話もして貰えない。迫害されることはないとはいえ、ましなみじめな生活を強いられる。
捕虜となれば、味方に殺されるのを待つしかない。

どうしようもなくやりきれない賦与者たちに、ちょっとうんざり。
しかも、物語の展開も時折驚愕のがっかりにさらされる。肩すかしをくらって、がっかりしてしまい、展開が大きく変わっていく。がっかりが大きければ大きいだけ、あとであっと驚く伏線だったとわかるのですが、賦与者たちのやりきれなさに拍車がかかって、期待感よりも喪失感の方が多くて困る。
まあ、状況は挽回されるので、いいのだけれどー、挽回しきれないこともあって、やっぱりやりきれない。
ちょっと盛り上がりに欠けると思う。

まだまだ序章と言うことなので、今後も期待。
なにせ、この世界観は良くできているのですから~。

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果てしなき渇き

このタイトルで、いろいろなことがわかる気がするのは、やっぱり自分も渇いているからだろうか。

宝島社 深町秋生・著

ああ、あまり深くを語れない話だな。

失踪した娘を捜し求める内に、徐々に闇の奥へと遡航していく父。
娘は一体どんな人間なのか。ひとりの少女をめぐる、男たちの狂気の物語。
その果てには……。

いつもの通り、ネタばれなので一応よろしくってことで。

今の時代の人間って、やっぱし病んでいるんだろうか。
物に溢れていて、けれど満たされなくて、どうしようもなく人間との軋轢に苦しんでいる。
どうして昨今ではこんなに病んだ話が多いのだろうか。
やっぱり、みんなが病んでいるの? そこに救いを求めているからなのか。

けれど、どんな原始的な時代でも人間は互いに助け合って生きてきたわけで、日々の生活が命の営みに直結していただけに、人間同士の諍いだって当然あって、生死のやりとりが多いに違いない。
心がからからに渇いていると思っていても、その渇望は人によって様々にある。
この本の登場人物たちは、私の渇望以上のものを抱いていて、苦しんでいる。
渇ききってしまって、その渇きすらわからなくなっているのもいる。
そんな彼らの渇きももらって、僕は自分の渇きを癒すしかないのかもしれない。
失踪した娘を捜す藤島秋弘の行動、感情に巻き込まれていき、それにゆだねる。嫌悪したり、真実を知らず、登場人物たちの感情を理解することも出来ないくせに、それを貪っていく。
自分の人生がどれだけ安泰なのかを確認して、安堵する。反面、現実にこんなことが起きているのだろうと思う。そして、やはり日々苦しんでいる人がいるのだろうと思って、自己嫌悪に陥る。

失踪した娘、加奈子。
彼女の印象は、あの「BATTLE ROYALE」に登場した相馬光子の感じがする。
やっぱり、彼女と同じだし。また違った趣向を見せるわけだけれど、彼女ふと見せた自分を想う少年への表情も印象深い。

あまりに不快で、深い恐ろしい人間の闇や、狂気を目の当たりにして、自分の気持ちに呆気にとられる。
後味の悪い作品のはずなのに、なにも感じないのは何故なのか。
私の心がまだ渇いているということか。

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ロング・エンゲージメント

セピア色の時代が広がっています。戦争の描写は灰色になります。
戦争映画だったんですね。
知らなかった……。
なんで観たのかと言えば、やっぱりあれですよ、前作の「アメリ」がすごく良かったから。

「アメリ」DVD買おうと決めたのに、何故か見かけない。探しているんだけどなー。
初回限定版には、宝箱がついてきたそうな。まあ、そこまではいらないんだけど。
アメリは色彩鮮やかな映画でしたよねー。
同じ監督さんが描いている映画なので、そうした小さな見せ方みたいなのは、「アメリ」も今回の「ロング・エンゲージメント」も同じ印象があって、暗い映画の中でちょっと嬉しい。
たとえば、マチルドもアメリ同様にちょっと想像力逞しいところがあって、幼い頃の劇的な空想だとか、セレスタン・プーのエピソードとか。

マチルドが戦争から帰ってこない恋人のマネクを探す物語。
マチルドはマネクが行方不明になった戦場にまで足を運ぶ、気丈なヒロインです。
そのためには手段を選ばぬ、正直おっかない一面もありますが~(笑)。もっとも、上には上がいたわけですが。
さながら、女スパイのような有様で、手掛かりからなんとか恋人の行方を見つけようと知恵を絞るのです。すごい行動力です。二重の美人だしー。
R-15指定なので、戦場は重いし、ちょっとえっち。

戦争物としては、結構オーソドックスなのではないでしょうか。
漫画だと水樹和佳子の「エリオットひとりあそび」なんかがそんな感じだったかな。
戦争に行ってしまって帰ってこない恋人を待つ、病弱なヒロイン。それを見つめるエリオットの物語。

そして、昔夏休みかなにかで観たアニメ映画。
確か、あれも戦場が描かれていたんですよね。
東と西に別れた、二つの塹壕。その間の荒野で戦いが繰り広げられるんですが、ある日ひょうんなことから両陣営でサッカーの試合が始まるんです。
けれど、所詮は戦争。
誰も戦いたくなんか無かった。けれど、昨日の友が今日の敵。
言葉がわからずとも、サッカーで試合してわかりあえたはずの両陣営は殺し合いをはじめるという、あまりにも哀しすぎる話だったと思います。

映画ではそれこそ多くの人たちが出てくるのですが、私が気に入ったのはセレスタン・プーですね。
マチルドが妙な名前と言っていたと思うけど、確かに変な名前。
けれど、どこからともなく食料を調達してくる手腕が凄いらしい。元は泥棒なんだろうか? 犬までしつけて、食べ物くすねてこさせるらしい。
そんな彼も、マチルドの恋人探しに一役買うのですが、額は広いM字型で、全体に皺が波打ってるのに、髭が上品でバイク乗りなのが格好いい。
中盤登場してしばらくすると去ってしまうのですが、戦場を生き抜いた一人です。

戦争映画ではありますが、セピア色の画面は美しい。
マチルドのマネクへの強い愛が、様々な糸をたぐり寄せていく様はご都合主義なのではなく、人の思いや努力が報われるという希望の様に感じました。

アメリがまた観たくなったなー。

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レンタルマギカ

魔法使いお貸しします。……いったいなにをさせるの?

角川スニーカー文庫 三田 誠・著

魔法使い、貸します!
魔法使いvs錬金術師!
の二冊が刊行。短編がTheSneaker誌上で連載中だとか。
魔法使いは、好きな題材ですが、ここまでジャンル分けしてくれると嬉しい。
ファンタジー辞典に、魔法使いを題材にしたのもあるけれど、あれを見ているようです。
魔法使いを題材にしたものは、世の中にも数多いけれど、たとえば「魔法遣いに大切なこと」だと、魔法って言うのは学問みたいなものではなくて、超能力みたいなもの。願うことで、使えてしまう先天的な才能ですね。

魔法って言うのは、先天的なもので、努力だけではどうにもならないものなのです。

この作品に登場するのは、
ドルイド僧を期限とするケルト魔術、
ソロモン王の七十二柱の魔神の召喚、
日本古来からの神道の禊ぎ、
五行の式神使いである陰陽道、
化学の原型か大いなる秘法・錬金術
そして、何故かポルターガイスト?

他にも今後、登場するのはなんだろうと考えるのが楽しみ。短編集などには、結構毎回別の魔法使いが登場していると嬉しいなあ~。
シャーマンとか、ブードゥーとか、エジプト魔術とか、密教とか……、あとなんだ? 神道ということは、キリスト教とか出てくるのかしら? なんか、個人的には信仰は別にして欲しいかも。

気になるのは、主人公の魔法が使えない若社長の妖精の瞳。
例によって例の如く、秘密がある様子。
魔術師たちの協会もいろいろ気になりますが、こういう協会が一つあると、主人公に障害を持って行きやすいのでやりやすいですよね(穿った見方)。

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FAKE

そんなのあり!? いや、あるんでしょうけど。一人称だったし。

幻冬社 五十嵐貴久・著

いかさま師のお話なのか?
ギャンブルの話って、最近だとSFものなのですが、「マルドゥック・スクランブル」が記憶に新しい。
こちらはブラックジャックで、近代兵器でいかさまだったんですが。

そういう意味では、まあ、ギャンブルでいかさまして勝つというのは、結構あるお話ではありますよねー。
結構、お約束を踏んでいくし、最後のトリックがどうなるんだろうと思っていました。

興信所の調査員・宮本と20歳の東大生・加奈は、浪人生・昌史を東京芸大に受からせるため、大学入試センター試験で完璧なカンニングを実行する。しかし、カンニングは露呈し、宮本は職を、加奈は学生を失った。彼らをはめたのはカジノのオーナーの沢田。昌史の父である西村を加えた四人は、沢田にリベンジをかけて、十億のポーカー勝負を挑むのだった、が?

昔懐かしの「マーベリック」を思い出した。メル・ギブソン主演映画。あれ、面白かったなー。また見たいなー。
あれは、……いかさまだったんだっけか?
ポーカー勝負だけど、いかさまは使わなかった気がするけど……。実際はそういうのの方が、面白い気がしますけれどね。いかさまだと、なんとなく方向が見えるから。

そう言えば、中年探偵が、年の離れた女子大生の後見人、みたいなのは結構懐かしいネタだなーと。
なんだったか忘れたけれど、確かその話ではかなり渋い探偵が、昔誤って殺してしまった男の娘を引き取る、みたいな話だったような。その後、二人は結ばれたんですがー。

しかしなー、ちょっと心臓に悪いお話だったかも。
読んでいてこっちが緊張しちゃって、大変だったです(苦笑)。
何事かと思うほどにどきどきしちゃって、こっちが苦しくなってしまって~。
最後の盛り上がりは凄かったですねえ。
それまでの伏線で流れは予想できたのですが、なんだか大逆転の予感が全然しない。
このままじゃ、このままじゃあああああっ!?
なんて感じで、心労を感じました……。
だって、一人称だし~?

この手のトリックものは、多くを語れないで辛いなー(苦笑)。

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エマ

でも、シャーリーも捨てがたい。

enterbrain 森薫・著

メイドさんのお話。
至極まっとう。
世の中の間違った認識を打ち破る、メイドの話です。
エマ最新刊5巻。そして、アニメも放送開始。

19世紀末のロンドン。豪商ジョーンズ家の長男ウィリアムはある日、初老の家庭教師ケリー夫人宅を訪ねる。そこで彼が出会ったのは美しいメイド、エマだった。一目で恋におちたウィリアムは以後、彼女の住むセントメリルボーンへ足繁く通い、またエマも実直なウィリアムの人柄に惹かれていく。だが、上流階級に名を連ねる彼に、メイドとの恋が許されるはずはなかった……。

そういうお話。
他には「シャーリー」という短編集と、ヴィクトリアガイドなるものがあります。
ヴィクトリアガイドは、もちろんイラスト付きで、19世紀のロンドンを知ることが出来ます。
あの頃の貴族たちの生活には興味津々でしたので、とっても参考になります。
お屋敷で働いているのは、メイドばかりではないのですね。

本当に身分階級というのは恐ろしいものですねえ。
そりゃあ、給料貰っているんだろうから、働くのはわかるのだけれど、なんでそこまでお仕えしなくちゃならないんですかねえ。
血統書付きの名門貴族とは、そんなに偉いのか?
その価値観はどこにあるの~?
貴族ってご先祖様が偉いって言うだけで、子孫がそういうわけでもないのだけれど、やっぱりその頃から遺伝子を引き継ぐみたいなことがあって、英雄の子は英雄、のような感じになるのかねえ。
作中でも、メイドのエマと貴族のウィリアムがデート先で、金銭感覚の違いを感じるのですが、鈍感なウィリアムはエマが負い目を感じているのをわかってやれないおばかちゃんなのが哀しい。

「シャーリー」は13才の少女メイドと、女主人のお話。
シャーリーはかなり不幸な生い立ちっぽい。きちんとした教育は受けてきてないみたいだけど、家事一般はとっても良くできる完璧主義。お裁縫も上手です。
エマのようなロマンスも、得に大きな事件もないけれど、その日その日の日常が心温まるお話です。
本当になんの事件もないので、こんなんでもちゃんと漫画として成り立つんだなー、と驚きました。
他にも二本、別のメイドさんのエピソードが載っています。

「エマ」はその長編って感じでしょうか。
正直、顔が大きくてのっぺりしていて、顔が大作りなのが、ちょっと少女漫画っぽくない感じですが、見慣れてくれば味があるというか。近頃は少しずつ絵も変わってきていて、取っつきやすくなってきましたしね。

エマは美人のメイドさん。元貴族様の家庭教師であるケリーさんのところで働いています。
家庭教師のケリーさんの教育のお陰で、エマさんは立派なメイドさんです。
元々聡明な人で物静かなんですね。
そんな彼女も、ケリーさんが教えていたウィリアム・ジョーンズと出会ったことで、運命に翻弄されていくのです。

エマさんは美人なのでしょうけれどー、ウィリアムぼっちゃんはいかがなものかと……。
あの優柔不断なぼんぼんのどこがいいんでしょーか?
理解しかねますなー。特別ハンサムってわけでもないし~、お金持ちだけど、エマさんはそういうところは見ないはずだし、そもそも身分違いというのが、二人の障害なわけですからねえ。

そんなことよりも私は、ジョーンズパパのリチャードさんのファンになりました。
当初、エマとウィリアムの関係に反対する障害になるとわかりきっていた、パパさんですが、その過去のエピソードが五巻で明らかにされました。実はいい人です。あの目つきも、若い頃からなんですね。なかなかの美形です。ウィリアムはおっとりしたお母さん似で、弟のアーサーがお父さん似ですね。

ジョーンズ家は成り上がりのお金持ち。そういうのは、血統や伝統を重んじる貴族たちからは嫌われます。
リチャードは若い頃から、苦労して社交界に入っていこうとするのですねえ。
田舎貴族の娘のオーレリアと結婚して、ウィリアムが生まれるわけですが。
オーレリアの方も貴族令嬢としては変わった女の子なのですが、なんというか天真爛漫。
リチャードの方は、血統や伝統の家柄を気にしないオーレリアに惹かれ、彼女に結婚を申し込むわけです。
そうして二人は結ばれるのですが、これから社交界に出て行こうとするリチャードのために、オーレリアは慣れない社交に頑張ります。なんてけなげな。しかも、五人も子供を産むし。
普段は感情を表情に出さないリチャードも、オーレリアが心労で倒れたときには、不安を表情に出して彼女に謝罪するんですよ。そうして、彼女を社交界から遠ざけることをに決めるのですが……。

こういうパターンだと、リチャードが家柄目的でオーレリアに近づき、結婚してから遠ざけた、なんて思ってたんですけど、違ったんですね。彼女の存在を誰よりも必要としていたはずなのに、彼女のために彼女をそっとしておくことにしたんですよ。
それに比べてウィリアムは……。
エレノアに婚約を申し込んでおきながら、エマの元に走るなんて!
なんてやつじゃ!! これじゃあ、エレノアもかわいそうじゃないか。
世の中には、女の奸計にはまって責任取って潔く結婚する男もいるんだぞ!(女って怖い)
ウィリアムがどうやって、エレノアに償い、エマを幸せにしていくのか、今後の物語はまさしく緊張の連続ですねえ。
もっと穏やかな物語だと思っていたのに(笑)。
なんか、どろどろになっていきそう~。

アニメの方も見ましたが、やっぱり色がついていると違いますねー。
細部に漫画では描ききれない生活感みたいなものがにじみ出ている気がします。
コミックの方でも、カラーページは淡い色で古き良き時代、みたいな雰囲気を醸し出しているのですが、ああして色鮮やかだと、「時代が蘇った」みたいな強い印象が残ります。
話は原作とは違った展開を見せるような気がします。
原作ではエマが追ってくるのを狙って、ウィリアムは手袋を忘れるのですが、アニメでは本当に忘れたことになっているし。
エマの声も、冬馬由美だし。ロードス島戦記のディードリットのファンなんですよねー。古いけど。
あれも、DVDで出ないかなあ? もう、さすがに復活しないか……。

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