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空の中

主婦? 主婦が書いたの? 凄い。

メディア・ワークス 有川 浩・著

断然興味が湧きました。塩の街も今度買おう。
いろいろと勉強なさっている様子で、やっぱり凄い。勉強するってのは、大変だもんな~。やっぱし、本当に書きたかった作品なんでしょうねえ。
展開が平成のガメラなのがあれですが、あとがき読むまで気付かなかった……。

空から落ちてきた未確認生物の存在。
人類って、高空2万キロって未知の領域だったんですね……。そんなことも知らなかった無知な私。

未知の知的生物の存在とコンタクトをする人類。
200X年、二度の航空機事故が人類を眠れる秘密と接触させた。「変な生き物ゆうたわね?そやね?」―秘密を拾った子供たち。「お前を事故空域に連れて行く。話は現場を見てからだ」―秘密を探す大人たち。秘密に関わるすべての人が集ったその場所で、最後に救われるのは誰か。

ってことなんですが。
会話の内容からしてすごい情報量で、圧倒されます。
人類と違う種であるその生命体は、価値観からして違うわけで、会話が噛み合わない。
そんな存在を回りくどく、根気よく説得するのが、航空会社の高巳さん。その話術の冴えは、航空会社の設計なんて勿体ない! 外交官になっていただきたいくらいです。
その高巳さんの彼女候補が、自空軍のパイロットである光希さん。日本のGIジェーン(?)。あそこまで逞しくないけど、強い女性です。いろんな意味で。頑固なだけじゃなくて、ちゃんと成長を見せてくれたしね。
そんな二人が、航空機事故の原因となった、空の中の巨大生物に接触したわけですが……。
彼らは、白い巨大な姿から<白鯨>と名付けます。

その一方で、その巨大な生命体から分離してしまった、小さな生命体<フェイク>を拾ったのが、高校生の瞬。
ガメラの草薙浅黄(藤谷文子)。勾玉でガメラとコンタクトした少女、今度のは携帯電話で接触した男の子だけど。
しかし、自分が拾った生命体と同じ種類の存在が、自分の父親の飛行機を堕としたことをしって、彼の中で歪みが生じてしまう。
そんな彼と同様、飛行機事故で父親を失った少女、真帆が現れる。彼女は巨大生命体に復讐しようと、組織を結成し、瞬を引き入れようとする。<イリス覚醒>の比良坂綾奈(前田愛)のよう。

生命体との共存を望む大人たちと、父親を奪われて行き場のない怒りに生命体を憎むことしかできない子供たち。
どっちが正しいのか? と、常に問われることになる。

道に迷い、判断を誤ってしまい、真帆と行ってしまった瞬を取り戻そうとする、幼なじみの佳江。
彼のことを思うあまりに、瞬が間違っているとわかっていても、それをただすことが出来ず、後悔する彼女。
けれど、瞬自身も、フェイクに同族と戦うことを強いてしまった自分を責めていた。

そんな子供たち、大人たちを宥めてしまうのが、宮じい。
年の功とはいえ、うちのお爺ちゃんは、こんな凄い事は言わなかった。
その言葉の重みが凄い。正直感動しちゃいました。
ただ、そのあまりの正しさが、時折痛くてたまらなかったりするんですが。

なんにせよ、互いのことを思い合うことが出来る人々の話です。
空の表紙が、とても心穏やかにさせてくれます。

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