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クラインの壺

メビウスの輪は二次元で、こちらは三次元、いや四次元ってことなのか?

講談社文庫 岡嶋二人・著

岡嶋二人の名前は知っていたけれど、ついぞ読んだことがなかったわけで、これは二人三脚で書いていた最後の作品だそうなのでちょっと読んでみることにしました。
漫画の「リヴァイアサン」でもクラインの壺というネタがあるけれど、もちろんこれは別物。
SFネタなんですよね~。仮想現実の世界。
十七年前なんで、つまり、1988年ですか。そんときはそりゃあすっげえと誰もが驚いたわけなんざましょう。
けれど、二十一世紀にもなりますとそのネタってSFとかでは結構使われているネタなので、あまり驚きはしなかったというか、オチが読めちゃったんですよね~。
とはいえ、なんだかんだ言いつつも、一気に読んじゃったんですが。
近頃じゃ珍しい。いつもはだらだらと読むのに、そこそこの分量で一気に読ませるんだから、機会があったら他の作品も読んでみよう。

仮想現実の世界って言うのは、90年代から結構言われていたんじゃないでしょうか?
主人公の上杉は、ヴァーチャルリアリティ・システム「クライン2」のモニタープレイヤーとして、仮想現実の世界で仮想国家にスパイをプレイすることになるのですが、やがて現実と虚構の区別がつかなくなってしまい、企業の陰謀に巻き込まれていくわけですが……。

高畑京一朗・著「クリス・クロス 混沌の魔王」という作品がメディアワークスから出て、ラジオドラマにもなっているんですが(古い話)、学生時代に読んだ最初の仮想現実モノだったと記憶しています。
この作品は1994年に世に出ていますし、ティーズ向けなのでファンタジーっぽいかも。
両作品とも、仮想現実の世界に入り込むための装置があって、その装置を使って仮想現実の世界に入り込むんですよね。

ただ、仮想現実で遊ぶ舞台が違う。
「クラインの壺」のほうは、ほとんど現実の世界を再現しているのに対して、「クリス・クロス」はファンタジーなダンジョンを舞台にしているんですよね。
「クラインの壺」の上杉は、だからゲームの世界と現実の世界の区別がつかなくなってしまうんですが、「それはちょっと無理があるんじゃ」、と思っちゃったんですよね~。実際、そういうのがいろいろなメディアでも、また他の小説のネタとして扱われるのを見ているので、その当時の限界を感じちゃったんですよね~。

仮想現実と現実の区別がつかなくなったといっても、空腹とか排泄とかはどうなってるのかしら? そういうのも仮想現実はまかなえるものなんでしょうか……? 空腹を我慢したら飢え死にしちゃうし(点滴してれば別なのかな?)、排泄しないと身体をこわす(点滴してれば排泄もないのか)。時間の感覚が失われれば、そういうのもありなのかなあ~? すくなくとも「クライン2」にはそんな機能はないと思う。いや、あのスポンジベッドのスポンジから栄養素などの分泌液がでているのかも。
ついでに、渋谷の街を再現するのは無理があると思う。そこに存在する人、人、人をリアルに見せるのはわけないかもしれないけど、絶対パターン化しちゃうと思うんだよね~。それともそこまで科学が発達すれば可能なんでしょうか? オンラインゲームのように、何千人もの参加者がいれば話は別だけど。
それこそ、映画「マトリックス」の世界だ~。あれはだけど、あらゆる人が同じ仮想現実を共有しているから出来ることなのだと思うのよ~。

とりあえず、今回のミステリにそんな信憑性を求めるのは間違っているってわかっているんですけど(苦笑)。

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