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東京奇譚

内容を読んだ後で、確かに都心かもしれないけど、東京タワーが出てこなかった。
何故かしら、東京都なんだから、問題ない気がするけど、東京タワーとか新宿とか、都庁とかは直接出てこなかったことがそれこそが、奇譚な気がした。

新潮社 村上春樹・著

仕事で面倒なことが続いていて、あまり集中して読めなかった。
相手に悪気はなかったのかもしれないけれど、言い訳を聞かされると、その時点でその判断は絶対に下せなかったはずで、相手の言葉を鵜呑みに信じた自分が許せなくもある。
それ以前に、自分がそれを未然に防げなかったことが、悔やまれる。物事をすべて上手くくみ上げていたつもりだったけれど、やはりそこは手を抜いていたと言われても仕方がない部分がある。

こういうときこそ、読書にのめり込んで忘れたいわけだけれど、明日のことを考えるとどうしようもなく苛々する。
相手がその場しのぎで言った事であったとしても、そのお陰で私はこの三連休を心穏やかに過ごせたわけだし。

そんなこんなで、連休中に友人とアフィリエイトの話をちらっとした。
そういえば、何で本の紹介してるのに、アフィリエイトやってないんだろう?
Amazonの申し込もうとして、ココログはすぐに使えるのかと確認して、思い出した。
アフィリエイトするには、ベーシック(無料)から、プラス/プロ(有料)にバージョンアップしないといけないから、やってなかったんだった……(汗)。
まあ、それほどアクセス多い様にも思えないし……。有料にして、アフィリエイトの元が取れるのかわからないから、まあいいや~。

今回は短編集ですが、最初の二つが好き。最近の村上春樹は好きです。
「偶然の旅人」
ゲイであることをカミングアウトした、ピアノ調律師のお話。
本屋のカフェで、人妻と出会い、誘われるのですが……。
CLAMPの漫画で、「いい男って、みんなホモか妻帯者なのよね」というような、台詞があったのを思い出した。
彼は格好いい。もう四十過ぎだけど。しかし、最近四十歳の男が主人公の話が多いな。登場人物が若いことに衝撃を受ける昨今、四十過ぎの男が格好良く独身で過ごしている本を読むと、年を取るのも悪くないと思う。
けれど、自分がそうなれるかというと、ありえなーい! なわけで、未来は暗い。
ピアノの調律師がどれくらい儲かるものなのかわからないけれど、お気に入りのカフェがあってそこで読書をするなんて羨ましい。私はいったいいつになったら、飽きるほど毎日本を読んで過ごせる様になるのでしょうか。
雰囲気があって、謎は謎のままだけれど、こうしてふとした日常の話が垣間見えるだけで、結末があるわけでもない、そんな話がどことなく心穏やかでいられる。

「ハナレイ・ベイ」
息子が、ハナレイ・ベイで鮫に襲われて死んでしまったという、女性のお話。
かなりしたたか。自立心旺盛で一人で息子を育てたけれど、自分と同じように放蕩息子になってしまった。
そんなことにいろいろな思惑があり、決して愛していたとは言えない息子だけれど、その存在が消えてしまったことが受け入れがたいのか、彼女は毎年ハナレイ・ベイへと訪れ、その亡霊を捜す。

「どこであれそれがみつかりそうな場所で」「日々移動する腎臓のかたちをした石」「品川猿」
どれも感じ入るものがあって、心に優しい。
失われる物もあるけれど、けっしてそれだけではないから。

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ルパン

子供の頃全部集めて、むさぼるように読んだものです。
私は、ホームズ好きのはずだったんですが、何故かルパン派のようですね。

これも確か、ポプラ社の小説だったけどなあ。
好きなエピソードは「緑の目の少女」だったかな。最初に読んだのは、「黄金三角」だったと思う。
でも、検索を掛けてみると、実際には全部ってわけでもなかったみたい。
とりあえず、「カリオストロ伯爵夫人」は読んだ記憶がないし。
私が読んできたルパンというのは、割と年配で30とか40の印象があったんですよね。
だって、小学校の頃の話だし。
今読んでも面白いのかなあ。でも、そんなことする時間があったら、別の本読むよな……。

この映画のルパンは、子供時代から追っていくんですよねえ。
原作のほうの本名は、ラウールと言うらしい。アルセーヌ・ルパンが偽名なんですよね。もっとも、映画の中ではそれが逆になっていたけれど。
ラウールといえば、オペラ座の怪人だけど、まあ、それはどうでもいいか。そういえば、DVD買うとかいって、買ってないな……。一回見ると、わりとどうでもよくなるんですよね……。
あ、でも「ハウルの動く城」は買います。もう一度観たいから。なんか、三種類あるみたいですが、別にセル画はついてなくていいし、フィギュアもいらない。

閑話休題(いつものことか)。
ルパンも若いから、結構血気盛んなんですよね。
アクションシーンも、なんというか、ボクシング&フェンシング(棒?)の稽古シーンなんかは、格好良かったな。
あの時代では、ボクシングもキックありだったのね。いや、キックボクシングだったのか?
内容といたしましては、話がぶつぎりで、一応話はわかるかな~、と。
結構冗長で、蛇足なよーな。

貴金属の数々は凄かったな~。あれぞ、目の保養。でも、あの幅のあるチョーカーしてたら、首が回らないんじゃないでしょうかね~(苦笑)。首を傾げることだって出来ないじゃんか~。

ルパンは若い。そんな彼は、父の教えを守ってお金持ちから次々と貴金属を盗んでいくわけですが、その手並みがまるで手品のよう。手品師って、やっぱスリなのよね。そして、医師免許取得者もいるとか。すっげーな。
そんなルパンも、殺さずを貫く怪盗紳士。
一人の熟女カリオストロ伯爵夫人と出会い、その色香に惑い宝探しに首を突っ込むことに。
まあ、大変。
従妹のクラリスをも巻き込み、さらにこれでもかとルパンを執拗に追い続けるボーマニャンが、これでもかとしつこくて嫌。
そんなのが繰り返されていって、最後は……。数十年後?
まあ、若いルパンが登場するってのが、また若いから女好きでしょうがないのが結構好きだったかも。
冗長だったけどね。

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アルスラーン戦記 魔軍襲来

白騎士とかいう、新作が雑誌増刊号で出たとか。なんなんでしょう~?

光文社 田中芳樹・著

とあるブログさんで、「今日は五冊も本を買っちゃった~」、みたいなことが書いてあった。
笑止!!
こちらは、一日で10冊! 一週間で20冊近く買っておるわ!!
それこそ、こんなのどうするんじゃあ~~~!!
ちなみに、漫画を含めていますが。
「バガボンド」最新刊、文庫版「うしおととら」最新刊。それから、「アダ戦記5」「トリニティ・ブラッド5」「DOLLS1」。
DOLLSは、正直がっかりな感じ。私には合いませんでした。電車の中で読んでそのまま座席に置いてこようかと思った……。人気があるみたいで、本屋でも大々的に宣伝していたのですが、好みじゃなかった。これって、少女漫画なのか?

で、ここ一週間で買った本を振り返ると、
「東京奇譚」「ニンギョウがニンギョウ」「もうひとつの愛の奇跡」「青の聖騎士伝説2」「禁涙境事件」「生者の異端書」「名探偵症候群」「パートナー4」「女子大生会計士の事件簿3」「愚者のエンドロール」「北風のうしろの国」「百器徒然袋-雨」「ウィザーズ・ブレイン5」「ユエル・サーガ・リプレイ2」「新しい太陽の書1~4」
もうすでに読んだものもあれば、ここに書いていないのもございます。ついでに、書き忘れているのもある気がする~(汗)。あ、バンパイアのロマンス物も買ったな~。
ちなみに、古本を加えると「QED式の密室」「螺旋階段のアリス」の二冊になります。
で、このアルスラーン戦記の最新刊も加えます。
挑戦者、求む!!(なんのこっちゃ)

アルスラーン戦記は、青春の一ページですね。
中学生の時分には順調だったと思うのですが、私が好きなのはやはり第一部でしょうか。主人公のアルスラーンが、数々の勇者たちの協力をえて、蛮族に奪われた王国を奪還するお話です。
登場人物たちも魅力的な人物が多く、すっかり夢中になって何度も読み返したものです。
なぜか、第二部がはじまり、当時は期待に胸高鳴っていたわけですが、気がつけば角川から光文社に変わってるし~。
さすがに、天野先生のイラストは拝めなくなってしまった。
まー、しょうがないよなー。アニメ化もしてもらって、ウハウハなはずだったのに、一向に終わる気配がないんじゃ。
この本だって、去年の春の予定じゃなかったでしたか? で、一年と半年がたっていた。セイ旗流転が、1992年。妖雲郡行は、1999年。七年と六年、合計十三年も出ていなかったなんて……。もう、覚えてねえよ。
古い本を引っ張り出してみれば、紙の色は変色し、染みだかかびだかがわいているではありませんか。……光文社の本を買い揃えるか。
これはもうみんな思っているに違いないし、出たことに狂喜している方々も多いんでしょうね~。

好きなキャラは、ダリューンです。ナルサスと人気を二分するキャラだと思うのですが、この二人はそれこそアルスラーンの右手と左手って感じ。他に、ギーヴとファランギース、エラムとアルフリードなどが、中心人物なのですが、他にも格好いい武将たちがたくさん。
でもやっぱり、ダリューンが一番。強くて格好いいし、ストイックだよね。アルスラーンに対する忠誠心も立派だし。
第二部になると、登場人物たちが多くなり、登場場面も少なくなってしまいましたが、今回の巻でも登場シーンには胸踊らされました。
第二部は、それほど読み込んでいないので、なんにもわかんないんですが……。
魔軍との対決が近い、魔軍との決着はいかに? けれど、終わるのか不安ですね。だって、周辺諸国が大騒ぎしているし~。
やっぱり、第一部の八人で旅をしていた頃が一番楽しいかな。
ダリューンがシンドゥラ国で、決闘代行するところとか今でも覚えています。
それに、一人南に送られるアルスラーンを、七人が追いかけるところなんて、今でも感動しちゃいますもんね。

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ファンタスティック・フォー

Mr.インクレディブル

ああ、B級だわ。
っていうか、B級ってどういう意味なんですかね……。

Mr.インクレディブルは、これがオリジナルなんだそうです。
でも、Mr.インクレディブルを受けて、この映画は内容を変えたとか。

近頃は、アメコミが多いですね~。
見てないのもあるんですけど、割と見ているな。
バッドマン、スパイダーマンはもとより、X-MEN。スポーンなんか、地獄から蘇った兵士っつー設定で、鎖とマントが蠢いて(CGだけど)すっごく面白そうだったけど、続編はありませんでしたねえ。
デアデビル、ヘル・ボーイとか。

Mr.ファンタスティック、なんだおじさんじゃーん。ポスターでは若そうだったけど……。
インビジブル・ウーマン、ジェシカ・アルバといえば、「ダーク・エンジェル」このあとに、「シン・シティ」が。
ヒューマン・トーチ、いわゆるイケメンでもてるんですけど、相手に本当に火傷させそう。
ザ・シング、可哀想に身体が醜く変貌してしまい、例によって例の如くな展開が。

全体的に、アクションよりも人間関係などに重点を置いてあるので、ちょっと盛り上がりに欠けたかな~。
一応、敵は存在して戦うことになるわけだけど、その敵とも決着はつくのですが、そうなると今後は敵もなくレスキュー活動とか続けていくんでしょうかね……?


あとは、「奥様は魔女」
ニコール・キッドマンが、魔女を演じるって事で、ナルニアの魔女かと思ったら、これだったとゆー、オチがつきます。
なんていうか、……やっぱり、テレビの庶民的なのがいいんじゃないでしょうかね~。

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FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN

この時、まだSQUAERなんだよね。としみじみ思う。
あれは、……大学生だったなあ。
クラウド他のキャラたちも、お団子をくっつけたお人形みたいで。
今でこそ、ここまでリアルなキャラクターが出来ていたわけですが、それを考えるとシナリオも凄かったんだろうな~。
あれだけ壮大な物語があったから、こうした続編も生きてくるって事なんでしょうか。
全面リニューアルして出たりしたら面白いな~。
でも、その時エアリスが復活したりしたら、台無しだけど~。

やっぱ、あれだけ綺麗にCGできると凄いよなあ。
「アップルシード」のときは違和感もあったけど、本当に動きとか表情とかがなめらかだし。モーションキャプチャーだからなのか、逆に動きがリアル過ぎて、違和感を感じるときがある(笑)。

アクション映画だよね~。世界観がしっかり根付いているから、ストーリーも追いかけることが出来る。
っていうか~、ゲームを理解していなかったことがわかりました(汗)。
ジェノヴァって、宇宙人だったのか……。ちゃんとわかってませんでした。そういう話だったんですね。
つーか、あの手のRPGをSFにしたのって、やっぱこの作品だったのかなあ。
ついでにいうと、キャラの年齢も結構たかった。
クラウドって、21歳じゃなかったっけ? 当時も今も主人公は、17歳前後じゃなかろうか? そう言う意味では、大人のはずなんだけど……いろいろあったし。

ただ、マテリアのシステムはあんまり好きじゃなかったな。
呪文や、コマンドがアイテムの扱いで、キャラごとに付け替えて使う。
マテリアを付け替えれば、キャラはなに使ってもいいんだし。ストーリー上では、キャラクターの個性が強かっただけに、システム上のキャラクターの個性がリミット技にしかないのは、残念だった気がする。
まあ、バトルに3名なのに、操作キャラが8人もいるのは使いきれないし。そういう意味では、マテリアのシステムなら二軍キャラも、一軍キャラで育てたマテリアつければ、使えるわけだけど。

今回のACだと、マテリアを使って、呪文とかは使わないのがちょっと寂しかったけど。敵キャラのカダージュたちはヘイストとか、使ってたのかな? 召喚もしてたし。

後日談が、あんなに綺麗に映像化されるなんて、それだけでも凄いのに、サービスも満点。
世界はさらに広がっていて、ゲーム本編の前の神羅は携帯電話になり、ACがあってその後も、ヴィンセントが主人公の話がある。それだけ大きな世界観が認知されていれば、オイシイわけですね。
ぶっちゃけ、FINAL FANTASYの映画も、これやればよかったのに、なーんてね。
キャラクター満載で物足りなさもあるかもしれないけれど、背景があるからあれだけでも満足できるんじゃないでしょうか。タークスのレノとルードが、なんであんなに出張ってるのかちょっと不思議だけど。
あと、レッドXIIIとケット・シーがセットなところとか。
ああやって、かつて戦いをともにしたメンバーが、再び集結するなんて、格好いい!! 一人一人、戦場に集ってくるその様子には感激しちゃいました。
それにゲームを知らなくても、アクション映画として楽しめる、かも。
キャラクターたちは、全員99レベルって感じで、本当に人間業じゃねえ!! アニメと同じ理屈なのに、フルCGってだけでもなんだか感動しちゃう。

クラウドとセフィロスの対決まで観られるなんて……。
しかも、あれだけの動きを見せてくれるなんて~。
セフィロスは、森川智之だしー!! 美形悪役の定番ですね。
それから、エアリス。坂本真綾だしー!! 顔を見せそうで見せないのが憎い。ちょこちょこちょこちょこ出てくるのにー!! 御尊顔がなかなか拝見できません。
ザックスは、鈴村健一か。
ガンダムSeeDじゃんけ!!

カダージュ率いる三人組も格好いいしな~。いいことずくめ過ぎる。

クラウドのあの巨大な剣って、いくつもの剣が組み合わさって、あの大きさになっているっていう設定も格好いい。
バイクのシリウスからジャキンっと、飛び出してくるのも格好いい。
しかも、あのリミット技! なんていう名前だっけか……あとで、調べなくっちゃ。

あのフルCGと、キャストでゲーム本編の方もCGアニメにならないかしらん……。
それは無理か。
まあ、……台無しになる可能性大だもんなー。
ああいう格好いい者を観てしまうと、創作意欲がかき立てられますね。

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サウスバウンド

面白かった。久々に面白かった。まだまだ世の中にはこうしたものがあるのですねえ。

角川書店 奥田英朗・著

今日は、ニコール・キッドマンの「奥様は魔女」を観てきたのですが、そっちはどうしたって霞んでしまいました。少々、テンポが悪いかな。ニコール・キッドマンは美人だけど、相手役の俳優の演技がちょっと過剰すぎでひきぎみだったかも~。
やっぱり、奥様は魔女は、ドラマのほうが面白いかな~。

この小説も、映画化になったりするんだろうか?
これは売れるのではないか、などと余計なことを思ったりもした。とにかく、面白かったんだから。
型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた小切なわけですが、父親が主人公だったら、もっと別の話になっちゃったんじゃないのかなあ。
父は一郎、息子は二郎。確かにかわった父親だ。しかも、無職だし。おまけに、元過激派。
一家はひっそりと東京で暮らしているのだけれど、父親の型破りッぷりに、平穏は毎日は崩れていくわけで、その辺はちょっと子供は可哀想だし、世間一般的に観ても理不尽なんだろうと思った。

第一部は、東京での二郎少年の生活が語られる。
最初は本当に、反社会的な父親に振り回されつつも、学校生活を満喫しているわけです。
いわゆる思春期の悩みって奴ですかね。
行動派の親友がいて、インテリなのがいて、秀才がいて、片親の不良少年がいたりして。そんな彼らの友情物語があって。
二郎は、家出や、いじめ、自分に金持ちの祖父母がいることなど、数ヶ月間に劇的な経験をしてしまい、さらにさらに大変な事件が。
お父さんは年金を払わないし、まだ小学生なのに中学生の不良に目を付けられて、因縁を付けられる。
かといって、大人は頼りにならない。
さらに、お父さんの知人のアキラおじさんが居候になる。
アキラおじさんは、格好いい。お父さんと同じなんだけど、料理が得意で鍛えてる感じ。危険な匂いをさせているけれど、いい兄ちゃんって感じ。だけど、それだけじゃ終わらなかった。
アキラおじさんは、二郎の敵をいためつけて、おまけに警察沙汰の事件を起こして逮捕されてしまう。
少年二郎は、理不尽な運命に翻弄されて、人生をめちゃくちゃに……。
なんて展開に、ずっとどきどきしっぱなしでした。そのうち、二郎は家出ごろごろしているだけの理不尽な父親を刺しちゃうんじゃないかって、そんな風にはらはらしていました(被害妄想)。
だって、最近そういう暗い小説が多いんです。そう思いませんか?
なんで、娯楽のための読書なのにこんな暗い話を読まなくちゃいけないんだろうかって。
しかも、そういうのなんたら大賞受賞だとかって、なんなんだ一体?
そりゃ、私もそういうのを読んで、暗い喜びに浸ったりもしますが、立て続けだともう嫌になる。

正直なんだ、またそういう話なのかと思った。
社会問題って奴なの? 社会に適応できない人間が、問題起こす話なのですか?
昨日の「女王様と私」も、ひきこもりの四十オタクが事件を起こす話だったけれど。
家庭崩壊か?
一家は、東京に住んでいられなくなり、沖縄(父の故郷)に引っ越すことに。
もっと、健全な話かと思った。父親が変わってるってだけで、元過激派だったなんて……!!
そこにはもちろん、父一郎の信念もあるわけで、そこはちょっと格好よかったかな。
事件を起こしたアキラおじさんを庇ったりもしていたし、けれど母さくらの諦観の表情は可哀想。

それはそれとして、二郎少年の友情物語が展開されるわけですが、それが今時じゃちょっと珍しいくらい、感動的だったりして。まるで、石田衣良の「4TEEN」みたいに感動しちゃったりなんかして。
子供は結構したたかだし。
だから、結局読まされてしまったわけで……。

第二部は、沖縄生活。
姉の洋子は、東京で居残り。どうやら不倫しているらしい。相手の男と結婚すると息巻いているが、今までの経験上、捨てられる展開しかあり得なくって、ちょっといたたまれない。つーか、先読みしすぎな私。
妹の桃子は、原始的な生活にうんざり気味。
とはいえ、二郎も桃子も沖縄のさらにはなれて、西表島の野性的な生活になじんでいくわけですね。
第一部では、一郎の破天荒を咎めつつも、制御しきれない夫の手綱をなんとか握っていた感のある、未亡人っぽい雰囲気の妻さくらも、ここでは開放的になり、吹っ切れて明るくなった。
一郎も野生児になり、まるでターザン(?)。東京ではごろごろしていたのに、畑仕事に精を出し、野生動物を狩りに出る始末。船を運転して、魚まで捕ってくる。
さらに、島の人々は親切で、食べ物など買わなくても、誰かが持ってきてくれる。
電気も水道もないけれど、そんな眩しい太陽と、透き通る海の風に、二郎も桃子もすっかり島になじんでいくわけです。それこそ「南の国から」みたいな~、感じになるのかと思いきや、案外ほっとしながら読んでました。
とはいえ、そこは一郎さん。やはり、なにもないわけがない。
リゾート開発を進める一派と一悶着有り、昔の血が騒ぎ出す。
男に捨てられた姉の洋子までやってきて、ついに一家が一致団結して立ち上がる!
って、すっげー、展開。
とはいえ、やはり子供たちは避難させて、夫婦二人(プラス変な外人)で国家権力に立ち向かうことに!
父はやはり、英雄だった。そして、母はジャンヌ・ダルクだった。
結局、二人は島にいられなくなり、楽園目指してランデブー。
子供たちは親切な人々に包まれて、島に残ることに。
夫婦は子供たちに迎えに来ることを約束して、船で旅立っていくのでした。
本当に迎えに来るのかなあ……。

父さんは、格好良かった。自分が馬鹿だと言うことはわかっていた。世間に流されて生きていくほうが、賢いことはわかっていた。けれど、自分を貫くことしかできない不器用な男だった。そして、それを実行できる強さを持っていた。東京にいた頃と違って、言うことが格好いい。東京があまりにも型にはまった世界だったからだろうか。

その父親像、男性像は、どこか象徴的に感じるのは、英雄だからなのだろうか。
人間味溢れるというには、やはりちょっと逸脱しすぎているかも。
文句なしに面白い小説。
沖縄の第二部があって良かった。久しぶりにすっごい爽快な読後感だった。
すっきりした。

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女王様と私

黒い表紙に黄金のタイトルが悩ましい本です。っていうか、タイトルからしてきてる。

角川書店 歌野晶午・著

女性の表情の表紙ですが、帯で大きな目しか見えないんですよね。案外、帯をとってしまうと少女の表情ということがわかってしまうのですが、蠱惑的な唇がちょっと大きすぎるかな。私は目だけ見えているだけの方が、好みですかね。
歌野せんせいといえば、「葉桜の頃に君を想うということ」しか知らないんですが、あれも面白かったですよね。
っていうか、この時のトリックが、この本でも使われていて、冒頭からかなりしてやられていたのですが……。

これも一種のミステリなわけで、最初はそういう話ではなくて、無職・独身オタクが女王様に調教されるサクセスストーリー(?)なのかとも思ったけれど、全然違いました。

っていうか、いつも通りネタばれなので以下、要注意です。
ネタばれしないと、なにも語れないしね。




最初に登場するオタク、真藤数馬。冒頭の母親がやたらと若い感じがしたので、二十代後半くらいかな、と思っていたのですが……。
妹を連れて家を出る。ってところから、この妹がオタクの妄想だということに気付きました。
もちろん、ヒントはある本から。
滝本竜彦の「超人計画」。この人の「ネガティブ・ハッピー・チェーンソーエッヂ」が好きなんですけど、「NHK」は重すぎてちょっと苦手。「超人計画」はエッセイなんですが、著者が脳内彼女レイとお話ししたり、お出かけしたりする下りがあるんですよね。
今回はフィギュアだったんですが。トリック1
そして、そのお人形さんとお話ししながらショッピングの時に、黒服に絡まれて、かつ上げされそうになっちゃうんですが。
その黒服、実は男じゃなくて女だった。トリック2
数日後、その黒服に呼び出されてお高いフランス料理を驕らされちゃったりします。そして、その黒服の女、実は十二才の小学生だった! トリック3
さらにさらに、オタクの真藤数馬は、四十四才のおっさんでぶだった!!トリック4

もう、騙されて騙されて、悔しいったら無くて一気に読んでしまいます。つーか、思惑にはまってる~?
そのうち、美少女連続殺人事件に巻き込まれることになり、予想通り犯人の濡れ衣を着せられるオタク。
さらに禁じられた技が発動しちゃって、もうしっちゃかめっちゃかに。
そして、事件の真相。整形しちゃった小学生に、トリック5

最後は、すべて数馬の妄想だったという、夢オチ。おまけに、最悪の事件が。
おめー、四十四にもなって、七十のお父さんのすね囓ってんなよな~。
最後のオチは、「黒冷水」と同じだったな。

とにかく、仰天の連続でした。
「ブードゥーチャイルド」が読みたくなった。
あと、「グランド・フィナーレ」あれもロリコンの話らしいけど、面白そうかも。

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パイロットフィッシュ

アジアンタムブルーはこれの続編なのでしょうか?

角川書店 大崎善生・著

昨日食べた、かにクリームコロッケはおいしかったなー。
洋食屋なんだけど、ちょっとこじゃれた感じで、入ったときには御客がいなかったんだけど、あっという間に満員御礼だったし。コーンポタージュとコンソメスープがおいしそうだった。コンソメなんて、900円だったし。
ランチがないので、お値段が高い。
ファミレスとかそういうんじゃない個人経営(?)なんだけど。
また行こうっと。

でもって、ソードワールドRPGのリプレイ・デーモンアゲインが出てましたね。
例のバブリーズが八年ぶりに再結成って感じですか。
ぶっちゃけ、もりあがらね~、みたいな(笑)。GMもプレイヤーもこなれすぎちゃって、ちょっとすれすぎでしょう(笑)。それはそれで面白かったけど。
こういうのも楽しいんだけど、プレイヤーキャラの印象が残らないからなあ~。

で、本題のパイロットフィッシュ。
「聖の青春」を読んだ後ですから、もちろん期待大。評判も良かったし。
でも、私的にはなんというか、納得いかない点が多くて、逆だったな~。
まあ、それは結局人それぞれの考え方だし、私は女じゃないので、結局は女の友情ってわかんないし。
そういう女の人っているんだね……、こええ。
ほとんど作中人格成り立っていないのに、「友人の彼氏を寝取る女」として登場する伊都子という女がいる時点で、私はやるせなくなっていやだった。台詞なんて3っつくらいしかないのに、恐ろしいことに物語の鈎だった。
そんな子といつまでも友達でいるヒロインの由希子が理解できない。第一、自分の彼氏寝取られちゃって、それでもまだ友達続けるものなのか?
私は学生時代より、「友達だろ、ノート貸してよ」と言う奴が大嫌いだったので(低レベル)、こういう人とのお付き合いは続けていきたくない。

ようするに、嫌いなタイプのキャラが登場したってだけで、私の中ではマイナスに……。
まあ、こればっかりはしょうがないけれど。伊都子がいないと、話も成立しないし。ちらっと登場するだけなんですが、冒頭に名前がちらっと出ただけで、主人公との接点がなにもないままに展開しちゃったんで、最初彼女が誰なのかわからず混乱しまくりでした……。

いわゆる、楽しみにしていたパーティに参加したら、嫌いな人がいて楽しめなかった、感じですか。

著者の方は、将棋雑誌の編集だったんだけど、アダルト雑誌の編集もしていたのでしょうか(笑)。
水槽の魚の表紙は透明で涼しげで、だけどどこか息苦しい気がします。
主人公の山崎はかっこいい男だと思う。四十過ぎだしね~。物語は彼の現在と二年前と十四年前をいったいりきたりするので、ちょっと混乱しますが、若気の至りだった山崎も、今ではどっしりと構えた感のある大人の男に成長しています。
そんな彼の女性遍歴(?)が物語の軸、なのかな?
そして、タイトルのパイロットフィッシュ、その存在が絡んでくる。
パイロットフィッシュは、水槽の環境を整えると、用済みとなって捨てられてしまう熱帯魚。そのあとその水槽には、別のきらびやかな熱帯魚が住まうわけで。
そのパイロットフィッシュの存在が、登場人物たちにあてはまり、痛々しくて哀しい。

「人は一度巡り合った人と二度と別れることは出来ない」という、見出しがある。
たとえ記憶が薄れていっても、ずっと思い出が残っていくと言うこと。
パイロットフィッシュは、環境を整えて使い捨てられていく。それは悲惨な存在ではないといいたいのだろうか?
すべてが糧になるからと?
互いが互いの水槽のパイロットフィッシュになって、別れることが出来たらいい。
そして、次の人の水槽では今度こそ熱帯魚になれたら、あるいは環境を整えた水槽で本当に大事な人を熱帯魚を泳がせることが出来るかも知れない。

山崎は、パイロットフィッシュを愛していて、けれど捨てるなんてことは出来なくて。
けれど今は水槽の中で、愛しい熱帯魚を住まわせている。

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アラビアの夜の種族

ウィザードリィって聞いたんだけど、千夜一夜物語?

角川書店 吉川日出夫・著

梨を果物ナイフで切ろうとしたけれど……、皮をむくのに不向きだと思うんだけど……。
なのになんで、「果物」ナイフっていうのかなあ?

ザ・アラビアン・ナイトブリード

夜に語り部が語るのは、アラブの伝統なのかしら?
偽りの平穏に満ちたカイロ。
訪れる者を眩惑するイスラムの地に、迫り来るナポレオン艦隊。
対抗する術計はただひとつ、読む者を狂気に導き、歴史さえも覆す一冊の書。
「災厄の書」
物語にのめり込み、なにも手につかなくなってしまう物語があるという。
そんな本に出会えたらと思いますが、……残念ながら、この本は私の「災厄の書」ではなかったのですが……。

物語は四人の主人公から展開します。
正直なんの話がしたいのかわからないんですけど……。
カイロの知事の奴隷を務めるアイユーブは、エジプトに侵攻してきたナポレオンの侵略を止めるため、「災厄の書」を求める。
その「災厄の書」の中に、三人の主人公がいるんですよね。
物語の最初に現れるのは、魔神の力を手に入れ、最強の魔王となったアーダム。魔神の力を手に入れるため、地底に大迷宮、ようするにダンジョンを築き、魔神を封じ込めて一千年の眠りにつくのです。
そうして、その一千年後に現れるのがさらに二人の主人公。二人は孤児で、方や森の精霊の眷族に育てられ、方や詐欺師と暴漢に育てられ、別々の人生を歩んでいきますが、やがて一千年の目覚めから醒めたアーダムの大迷宮で邂逅。
白い美貌の魔術師ファラー。
はからずとも人生に裏切られ、失意の中ただただ力を求めていた。アーダムの力を手に入れるため、ダンジョンに身を投じていく。
霊剣の所有者サフィアーン。
その天真爛漫な純粋さで悪の道をいく育て親たちを更生させてしまった、若者。自らが王家の出自と知り、その人生のためにダンジョンに身を投じていく。
こうして、二人の勇者によって魔王アーダムは倒され、魔神すらも倒されていく。

その二人の過程は紆余曲折会って、ライトノベルに見られる様な一本道名ダンジョンではないのですが、まあ目新しいわけでもないかな~。
結局の冒険譚をナポレオンに読ませると、ナポレオンはなにも手につかなくなって、侵略は止まるだろう、というなんとも希望的観測なお話なんですが……。
なんじゃそりゃ?
冒険譚としては面白いんでしょうけれど、最後のあのオチは、とてつもなく無駄の様な気がします。
アイユーブの物語なのか、それとも三人の物語なのか。
物語の中の物語。
アイユーブの物語はあまり面白いとは思えないんだけど。

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