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女王様と私

黒い表紙に黄金のタイトルが悩ましい本です。っていうか、タイトルからしてきてる。

角川書店 歌野晶午・著

女性の表情の表紙ですが、帯で大きな目しか見えないんですよね。案外、帯をとってしまうと少女の表情ということがわかってしまうのですが、蠱惑的な唇がちょっと大きすぎるかな。私は目だけ見えているだけの方が、好みですかね。
歌野せんせいといえば、「葉桜の頃に君を想うということ」しか知らないんですが、あれも面白かったですよね。
っていうか、この時のトリックが、この本でも使われていて、冒頭からかなりしてやられていたのですが……。

これも一種のミステリなわけで、最初はそういう話ではなくて、無職・独身オタクが女王様に調教されるサクセスストーリー(?)なのかとも思ったけれど、全然違いました。

っていうか、いつも通りネタばれなので以下、要注意です。
ネタばれしないと、なにも語れないしね。




最初に登場するオタク、真藤数馬。冒頭の母親がやたらと若い感じがしたので、二十代後半くらいかな、と思っていたのですが……。
妹を連れて家を出る。ってところから、この妹がオタクの妄想だということに気付きました。
もちろん、ヒントはある本から。
滝本竜彦の「超人計画」。この人の「ネガティブ・ハッピー・チェーンソーエッヂ」が好きなんですけど、「NHK」は重すぎてちょっと苦手。「超人計画」はエッセイなんですが、著者が脳内彼女レイとお話ししたり、お出かけしたりする下りがあるんですよね。
今回はフィギュアだったんですが。トリック1
そして、そのお人形さんとお話ししながらショッピングの時に、黒服に絡まれて、かつ上げされそうになっちゃうんですが。
その黒服、実は男じゃなくて女だった。トリック2
数日後、その黒服に呼び出されてお高いフランス料理を驕らされちゃったりします。そして、その黒服の女、実は十二才の小学生だった! トリック3
さらにさらに、オタクの真藤数馬は、四十四才のおっさんでぶだった!!トリック4

もう、騙されて騙されて、悔しいったら無くて一気に読んでしまいます。つーか、思惑にはまってる~?
そのうち、美少女連続殺人事件に巻き込まれることになり、予想通り犯人の濡れ衣を着せられるオタク。
さらに禁じられた技が発動しちゃって、もうしっちゃかめっちゃかに。
そして、事件の真相。整形しちゃった小学生に、トリック5

最後は、すべて数馬の妄想だったという、夢オチ。おまけに、最悪の事件が。
おめー、四十四にもなって、七十のお父さんのすね囓ってんなよな~。
最後のオチは、「黒冷水」と同じだったな。

とにかく、仰天の連続でした。
「ブードゥーチャイルド」が読みたくなった。
あと、「グランド・フィナーレ」あれもロリコンの話らしいけど、面白そうかも。

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Comments

北風さん、こんばんはー☆
歌野作品5冊ぐらいしか読んでいないのですが、その中では「ブードゥーチャイルド」が一番好きです。でも登場人物は、オチを知ってビックリ仰天する前まで「葉桜~」の主人公が一番好きでした(笑)。ところで「女王様と私」2章目の完成度が高い分(私はワープしてズルしなければ2章のみで満足)、最後の主人公の言葉にゾーっとしました。こわい!!歌野氏はそれが狙いだったのかしら・・・

Posted by: bamse | December 18, 2005 at 12:12 AM

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