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ファンタージェン 秘密の図書館

「はてしない物語」。私にとっては、もう聖書みたいなものですね。

ソフトバンククリエイティブ ラルフ・イーザウ・著

はてしない物語を最初に知ったのは、映画のネバーエンディングストーリーでした。
中学生だったのかな? 原作が存在すると知って、どうしても欲しくなったので、三千円する本を図書館で借りるのではなく、購入したのでした。
もう、貪る様にして読んだ本でした。
バスチアンに自分を重ねて、自分のために書かれた本だと錯覚したものです。

映画も三本ありますよね。2本目まではかなりいい感じでしたが、三本目はあまりに雰囲気が変わりすぎでしたね。それから、ドラマにもなったみたいで。そっちはかなり異色な感じでした。もう、別物?

ラルフ・イーザウは、「ネシャン・サーガ」「盗まれた記憶の博物館」「パーラ」で好きな作家さんでしたので、心配はしていなかったのですが、今回のはちょおっと~。
ファンタージェンのオマージュってことで、多くの作家も参加している企画という情報があったので、てっきり短編集かと思っていたのですが、コレアンダー氏の若い頃のお話なんですねえ。
私的には、バスチアンが生み出した物語たちの、「それはまた別の物語」が語られるのではないかと期待していたのです。ラバとペガサスの子とか、バスチアンに手柄をとられてしまった騎士の物語、生まれ変わった種族の物語を。

実際、内容はファンタージェンのドラマと通じるところがあり、ドラマのほうをレンタルビデオで見た私はちょっとがっかりしていたので、どうなのかと……。
やっぱし、ミヒャエル・エンデは別格なんだろうな~、と遠い目をしてしまいます。
孤独な少年を描き、その少年が旅立ちそして戻ってくる物語。アトレーユとの冒険ではのめり込みましたし、バスチアンがファンタージェンでの旅を始めたときは心躍らせました。
ですが、バスチアンは楽しいはずのその世界で、小太りの少年から美しく強い少年に生まれ変わり、苦難に立ち向かっていきます。
けれど、そうして与えられた力に溺れたとき、再び孤独に戻ってしまいます。
しかし、彼がその国で得た物はそれ以上に大きかった。
バスチアンは、結局小太りの少年の姿で現実の世界に戻ってきて、中身だってそう大きく変わったわけではないけれど、少しだけ成長して戻ってきた。

ファンタージェンは、現実との接点を持たない、不可侵の領域なんですよね。
バスチアンは、現実の自分としては、あの世界には入れませんでした。ファンタージェンの人間に一度生まれ変わらなければならなかった。
けれど、イーザウのファンタージェンでは、現実とファンタージェンの間にかなり頻繁な交流がある。もちろん、ファンタージェンと現実の世界は互いに行き来があるからこそ、互いの世界が豊かになるわけですが。
私にとっては、侵してはならない最後の楽園なんです。

テレビ版ファンタージェンに、フライガールなる飛行機乗りの少女が出てきて、こっちにはフッフールが出てこないんですよね。もうあれは完全に別物でした……。もちろんがっかりしたけど。
ゲド戦記がどんな風になってんのか、期待しているのですが、どうなんでしょうかねえ。
本書「秘密の図書館」にも、機械の幸いの龍に乗ってくる女性が出てくるんですが……。
なんとなく、雰囲気が違うんですよねえ。
きっと、誰の胸の中でもファンタージェンは違う世界なんだろうなあ。
まったく別物として、楽しませて頂きました。
他にもオマージュしている作家さんがいるようなので、それも楽しみです。
あと、洋書で「エラゴン」の続編っぽいのが出ていましたね~。来年あたり、邦訳が出るのなか。
それに、毎年秋頃に出ていた「パーティミアス」シリーズの最終巻は今年は出ないのかな?

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