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ゼンダ城の虜

こういうロマン小説って格好良いけど、ちょっと硬いよね。

創元推理文庫 アンソニー・ホープ・著

エマ・5にその話が載っていたので、さっそく読書。
二部構成になっていて、ちょっとづつ読んでいたので結構時間がかかってしまった。
中の字も小さくて読みづらいし。
大デュマの再来、ってことはこっちのほうがあとなのね。なるほど。
時は十九世紀、ところはヨーロッパの一王国、空想世界のルリタニア。王位をめぐる陰謀の真っ只中に飛び込んだ英国の快男児ルドルフ・ラッセンディル。
たまたま国王と瓜二つだったために彼を待ち受けている波乱万丈の大冒険。
エマにも書かれていたけれど、良く出来たお話で、人気があったのにも頷ける。

第一部の「ゼンダ城の虜」で、ルドルフの一人称で物語りは展開していきます。
割と語り口調で、回想的なものなので、本人がいないところでも物語は展開していきますね。
ルドルフは誘拐された王様の替え玉になり、王様と結婚して女王様にはるはずのフラビア姫と恋に落ちてしまう。
けれども、その恋を諦めて王様を救って去っていく。
第一部は、正直さほどルドルフも自分を格好よく語らないんですが(苦笑)、敵キャラも魅力的で面白いです。特にルパート・ヘンツオ伯爵は、ルドルフの好敵手って感じで、二人して大立ち回りを見せてくれます。

第二部は「ヘンツオ伯爵」で、今度は王様の家来であるフリッツの一人称で物語は展開してきます。もっともフリッツはあんまり活躍しないんだけど(笑)。
他人から見たルドルフは、かなり格好よく描かれています。
周囲がみんな彼こそが王に相応しいと信じて疑わないくらいに。
前回の陰謀が失敗して国外に逃げたはずのルパートでしたが、ルドルフと女王となったフラビアの密かな手紙のやり取りに、一発逆転を狙って暗躍を始めます。
ルドルフは女王の危機に立ち上がり、今度こそルパートと決着をつけるために立ち上がるのでした。
ルドルフとフラビアの愛は燃え上がりっぱなしで、フラビアはどうにもこうにも止まらずに、事態を悪化させてしまいます。
そしてさらに、大事件が……!!
物語は散り散りになり、あちらこちらで大立ち回りが起こり、情報伝達が遅いがために取り返しがつかなくなったり、逆転したりと展開していきます。興奮させられます。

ルパートと決着をつけたルドルフは、周囲から、そして女王から王様になってくれと懇願されるのですが、ルドルフは首を立てに振りません。
そして、さらに悲しい事態が起こり、物語は幕を閉じます。
大団円にはならないな。
それが、男の運命なのか。

シンプルな、もう古典ですよね、世界大ロマン全集の一つだったそうですから。
女王の秘密の手紙を取り返すなんて、まったく三銃士ですが。

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