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バーティミアスIII

ついに登場、悪魔のバーティミアスが大暴れ!? 待望の最終巻。前月には、ドラゴンライダーが出ましたし、夏にはライオンボーイが完結しましたしね。
他に何か話題の物語があったかな? マーリンも読みたいんだよね……。でも、その前にダレン・シャンも読みたいんだけど……。

バーティミアスIII プトレマイオスの門
理論社 ジョナサン・ストラウド・著

悪魔の存在する世界。
けれど、キリスト教のいう悪魔とはちょっと違いますね。
悪魔というのは、意志を持ったエネルギーの塊という感じでしょうか。彼らはそんなエネルギーの塊である異世界から、魔術師たちはその意志を召喚します。
そのエネルギーの塊は、妖霊となって魔法を使うのです。
魔術師たち自身はたいした魔術は使えず、悪魔を使役して魔法を使う感じですね。

それがまた、かなり一方的なもの。
魔術師は魔法陣を描いて、悪魔を召喚し、従わせます。悪魔の方は、その召喚の魔法陣に欠陥がない限り、逃げ出すことは出来ないのでした。
悪魔は、仕えた代償になにも貰えずに元の世界に帰るしかない。
なんて、酷い世界。
バーティミアスがいいやつなだけに、バーティミアスを操るナサニエルは我が儘でかなり嫌な奴。
第一巻から、気分が悪くて感情移入出来ない。
ナサニエルはそれこそ不幸な生い立ちなわけで、確かに同情できるんですが、それにしたってバーティミアスにすることが酷いし、そればっかりが目立ってしまって、時折やるせない。

ちなみに、主人公が酷い人間で有名なのは、「童話物語」あれのヒロインもかなり偏屈でした。不幸な身の上でああなるのも仕方がないのですが、最後は感動の大号泣でした。
ナサニエルも負けず劣らず不幸ですし、毎回最後は良心に目覚めて正義を行うのですが、なんだかなあ。
やはりいまいち応援できない。
バーティミアスはひねくれていても、良心があるのでどうしてもこっちの味方をしてしまう。

第一巻では、どんな魔法も跳ね返すサマルカンドの秘宝の話し。
第二巻では、強大な魔力を秘めたグラッドストーンの杖。
第三巻では、その二つの物語の決着がつくのです。
倫敦を暗躍する顎髭の男。
そして、魔法に免疫を持つ子供たち、レジスタンス。
ナサニエルはバーティミアスの力を使役して、弱冠十七歳で政界の仲間入り、出世街道まっしぐら。
けれどそのために、バーティミアスは身体もぼろぼろ。
それでも、ナサニエルは自分の寂しさのためにバーティミアスを使役するのです。
バーティミアスはそのために、ますますぼろぼろに……。
ナサニエルもその姿を見て慌ててバーティミアスを異世界に帰すのですが……。

物語はバーティミアスの最大の宿敵との対決、バーティミアスの苦い思い出などに彩られながら、ナサニエルとバーティミアスの最強タッグというかたちで、最後の決戦へと流れ込んでいきます。
そして……

「驚くなよ、泣くなよっ! この結末、オレ様の想像を遙かに超えてるぜっ!!」
みたいな、バーティミアスのコメントが帯びにありますが。
確かに最後は驚きました。
こんなのあり!? って。でも、それは物語の展開に対してではなく、物語の終わり方に、です。
それにあまりに突飛すぎて泣けなかった。
過程はもちろん面白かったんですけどねえ、バーティミアスが弱っていたから、それほどはっちゃけなかったんだよなあ。

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