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遺失物管理所

ジャケ買いしてしまいました。表紙は好きです。

「遺失物管理所」
新潮クレスト・ブックス ジークフリート・レンツ・著

著者は、現在80歳だそうです。小説家は自営業だから、定年はないんでしょうねえ。執筆したのは、77歳のときだそうです。いまだ健在って事ですか……。
その77歳の御大が、24歳の青い青い青年の物語を描いています。

遺失物管理所。
駅の忘れ物が辿り着く場所。鉄道会社にしてみれば、そこは左遷場所みたいなものですが、主人公の青年ヘンリーは自分から好んでそこへ行く様なぼんぼん。
こういうのを純文学というのでしょうか? 私には退屈な話でした。
それなりに事件のようなものが起こり、家族や職場での人間関係が描かれているので、人間ドラマとして読めるのですが、ヘンリーを好きにはなれなかったなあ。
当初から、将来の目標もなくただその時その時を生きていくことが出来ればいいと、自由気ままな人物です。
または、私の見方が悪いのか、彼が一本筋の通った人物と言うよりも、優柔不断で臆病にしか見えなかったんですよね。
暴走族をそのままにしておいたり、職場の結婚している女性にちょっかいだしたりとね。
自由気ままにやっているヘンリーには、格好いいところとか、特技みたいなのが見あたらない。でも、本人はいたってマイペースだからそんなことはどうでもいい。ポリシーというか、そういうのが感じられないんですよね。
いわゆるだらしない女好きだけど、決めるときは決める、というような往年のヒーロー像が感じられず、なんとも煮え切らない、大人になりきれない青年像しか見えてこない。
終盤は、暴走族と対決したり、友人たちのために奔走したりと活躍するんですけど、なんとなくどれも手遅れの感じがするんですよね……。

余所様の感想を拝見するに、ドイツの背景とか、奥深いものがあるらしいのですが、エンターテイメント性は乏しい。
まあ、クレストブックスはそこには焦点置いてないんでしょうから、そこに期待するのはお門違いなんでしょうけれども~。

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