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恩田陸の本の中の世界

4月、5月と追っていた、恩田陸の俗に言う理瀬シリーズ。

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
「本好きにはたまらない」との書評から拝読。納得。こんな本があったらたまらんね!作中の「三月は~」も読んでみたい。物語は本の探索から、作者を捜す女二人、女二人の確執、そして・・・と別々の関係ない物語でありながら、前章を歪めて再現し、より破滅的なカタルシスへとなだれ込んでいく!

実はこれには続編があるということで、さっそく探してみる。すると、内容は「三月は深き紅の淵を」の中に修められた四編を、特に学園を舞台に繰り広げられた理瀬の物語だという。
これは、追わねばなるまい、と図書館で借りました。

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)
図書館で借りたその本は、ハードカバーで古くページが抜け落ちたらしく、修理されていた。幾人もの読者が手にした本、それだけでこの物語の舞台が整ったと感じさせられた。閉鎖された学園という空間は、とても魅力的な場所であり、多くの作品で舞台に選ばれている。二度と取り戻せないノスタルジィ。物語が物語を生み出し、「三月は深き紅の淵を」の出来事の繰り返しは、理瀬の違和感にシンクロしていく。いつかこの物語は最初の場所へと戻っていくのだろうか?

図書室の海 (新潮文庫)
こういう短編集も珍しい気がしますね。いろんな長編の短編を持ち寄っているとは。
図書館の海という表題が、理瀬の少女時代の短編です。

朝日のようにさわやかに
子供の頃夜中に布団を被って懐中電灯で本を読んだことを思い出した。目が悪くなりすぎて今はもう出来ないけれど、楽しかったなあ。
理瀬が去った後の学園の物語です。

黄昏の百合の骨 (講談社文庫)
猫に毒をやったのは誰? 麦の海では、閉鎖された異質な空間で普通の少女だった理瀬が、現実の世界ではそこで培ったものを仮面にして周囲を偽っていた。外の世界に戻ってきたはずなのに、ダークでグロテスクだ。この現実の世界こそが彼女の本当の舞台であり、檻から解き放たれて光の下に出てきたはずが、より一層濃い闇が広がっていた。
学園から戻った理瀬の物語ですが、この後物語は続きがあるのでしょうか? 気になります。

黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)
「三月は~」の中の一遍にしちゃあ、長すぎやしませんか?(笑)いや、面白いけど。ちょっと残念なのが、理瀬の世界と繋がりが匂わされているトコ。優理が同一人物とは言えないけれど、「~紅の淵を」という本にあった四編の物語から派生しているとはいえ、願望として違う物語であってほしかったよーな。それが平行世界という見方をしていけばそれはそれで面白いのかも。

黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)
優理は別の平行世界の彼女だったのかな?節子の章のデ・ジャビュの話は「朝日のようにさわやかに」の中に短編があったような気がして、驚いた。これもデ・ジャビュ?本当に個人個人の物語が濃厚でぎっしり詰まっていることに驚いた。もう少しどうでもいい『美しい謎』が多かったら良かったんだけどな。

黒と茶の幻想は、「三月は深き紅の淵に」の一遍が語られています。四人の男女の物語です。
実はこの小説の後に文学少女シリーズの完結編である「神に臨む作家」を読んだのですが、何事かシンクロしていまして、驚きました。

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