おやすみラフマニノフ


「さよならドビュッシー」に続き「おやすみラフマニノフ」を読みました。
このミス大賞のシリーズ第二弾。
クラシックミステリというと語弊がありそうですが、プロを目指す若い音楽家たちの成長を縦糸に、数々の事件や障害が横糸となり、アンサンブルを引き起こします。
クラシックと聞くと、mixiアプリのピアノ狂想曲もゲーム中にクラシック音楽が課題として出てきますし、近頃ではのだめカンタービレの最終巻が出ました。

この作品、語り手たる主人公がいるのですが、真の主人公は稀代の音楽家岬先生でしょう。お若いのに、音楽にどこまでもひたむきで、……ひたむきすぎてたまに退いちゃうところもあります(苦笑)。

私自身はクラシックというと、ヴィバルディとワーグナーが好きだけど、他はほとんど聞かないというかなりマイナーなんですが、(「春」とか「ワルキューレの騎行」ニュンベルクのマイスタージンガーとか)
興味はあるんですけどね。
いくつかクラシックのCDは聞きましたが。

この本、ピアニストやヴァイオリニストが出てきますから、音楽用語がたくさん出てきます。それでも不思議と気にならない。
のだめが絵とコマ割りの間で読者にクラシックを聴かせるならば、この小説は文面で読者の情感に語りかけ、クラシックの世界に引き込んでくれるのです。

今度ラフマニノフを聞いてみようと思います。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

そんな言い方ないんじゃない?


バーン・アフター・リーディングを見ました。
変な映画でした。
ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが出ている映画です。
食い違いと勘違いを扱った崩壊の序曲、でもカタストロフィはナシ。
うーん、イマイチ。

「アクロイド殺し」アガサ・クリスティー
「悼む人」天童荒太
そして
「死ねばいいのに」京極夏彦
と読んできました。
twitterでこのタイトルが呟かれたときは、なにかと思いましたよ。


以下ネタバレ


「アクロイド殺し」は一人称で物語が紡がれていき、その人が探偵ポアロを追っていく感じです。
でも、その人が犯人なわけ。当時、物議をかもしたそうです。

そして、「悼む人」は亡くなられた方を訪ね歩く青年のお話。事故や病気、傷害事件などで亡くなられた方の知り合いを訪ね、亡くなられたその場所で悼みます。

「死ねばいいのに」は、殺された亜佐美のことを知りたいと彼女の知り合いを訪ね歩く青年の話です。
六章構成で、その青年と彼が訪ねた人物の対談で成り立っています。
自分を愚かだと言う彼は、確かに常識外れで、主人公のハズなのになんだかわからない。頭がいいのか、ただ真っ直ぐなのか?
一方、亜佐美の知り合いたちも、殺された彼女のことよりも、自身の不幸な人生を顧みるだけ。
これは、亜佐美という女性を失った知人たちが、訪ねてきた青年と話をすることで自分を見つめ直す、……話のようですが、どうも様子がおかしい。

現代社会の人間たち、その苦悩と闇を赤裸々に綴りすぎていて、読んでいて鬱になる。
挙げ句、実はこの青年が犯人じゃんってなもんですよ。
ミステリじゃないので、別に普通に雰囲気でわかるんですけど、なんだかよくわからない。
結局、最終的に亜佐美の存在は清いものへと昇華されていく、んですが彼女は最初から死んでいるので、なんともはや彼女の真実は闇の中。

なんで殺したのかも、その理由も、……理解出来る内容になっているのだろうか?

なんなんだ!? この、空っぽな感じは?
みんなねじれている! そして、犯人は真っ直ぐなんじゃなくて、ただ逆にねじれているようにしか感じられない!!

何で最近、こんな暗い小説ばっかりなんだろう?
不景気だから?

| | Comments (0) | TrackBack (0)

恩田陸の本の中の世界

4月、5月と追っていた、恩田陸の俗に言う理瀬シリーズ。

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
「本好きにはたまらない」との書評から拝読。納得。こんな本があったらたまらんね!作中の「三月は~」も読んでみたい。物語は本の探索から、作者を捜す女二人、女二人の確執、そして・・・と別々の関係ない物語でありながら、前章を歪めて再現し、より破滅的なカタルシスへとなだれ込んでいく!

実はこれには続編があるということで、さっそく探してみる。すると、内容は「三月は深き紅の淵を」の中に修められた四編を、特に学園を舞台に繰り広げられた理瀬の物語だという。
これは、追わねばなるまい、と図書館で借りました。

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)
図書館で借りたその本は、ハードカバーで古くページが抜け落ちたらしく、修理されていた。幾人もの読者が手にした本、それだけでこの物語の舞台が整ったと感じさせられた。閉鎖された学園という空間は、とても魅力的な場所であり、多くの作品で舞台に選ばれている。二度と取り戻せないノスタルジィ。物語が物語を生み出し、「三月は深き紅の淵を」の出来事の繰り返しは、理瀬の違和感にシンクロしていく。いつかこの物語は最初の場所へと戻っていくのだろうか?

図書室の海 (新潮文庫)
こういう短編集も珍しい気がしますね。いろんな長編の短編を持ち寄っているとは。
図書館の海という表題が、理瀬の少女時代の短編です。

朝日のようにさわやかに
子供の頃夜中に布団を被って懐中電灯で本を読んだことを思い出した。目が悪くなりすぎて今はもう出来ないけれど、楽しかったなあ。
理瀬が去った後の学園の物語です。

黄昏の百合の骨 (講談社文庫)
猫に毒をやったのは誰? 麦の海では、閉鎖された異質な空間で普通の少女だった理瀬が、現実の世界ではそこで培ったものを仮面にして周囲を偽っていた。外の世界に戻ってきたはずなのに、ダークでグロテスクだ。この現実の世界こそが彼女の本当の舞台であり、檻から解き放たれて光の下に出てきたはずが、より一層濃い闇が広がっていた。
学園から戻った理瀬の物語ですが、この後物語は続きがあるのでしょうか? 気になります。

黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)
「三月は~」の中の一遍にしちゃあ、長すぎやしませんか?(笑)いや、面白いけど。ちょっと残念なのが、理瀬の世界と繋がりが匂わされているトコ。優理が同一人物とは言えないけれど、「~紅の淵を」という本にあった四編の物語から派生しているとはいえ、願望として違う物語であってほしかったよーな。それが平行世界という見方をしていけばそれはそれで面白いのかも。

黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)
優理は別の平行世界の彼女だったのかな?節子の章のデ・ジャビュの話は「朝日のようにさわやかに」の中に短編があったような気がして、驚いた。これもデ・ジャビュ?本当に個人個人の物語が濃厚でぎっしり詰まっていることに驚いた。もう少しどうでもいい『美しい謎』が多かったら良かったんだけどな。

黒と茶の幻想は、「三月は深き紅の淵に」の一遍が語られています。四人の男女の物語です。
実はこの小説の後に文学少女シリーズの完結編である「神に臨む作家」を読んだのですが、何事かシンクロしていまして、驚きました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

冷たい校舎の時は止まる

久々に「ペルソナー!!」と叫びたくなりました(?)

※ ※ ネタバレです!! ※ ※

冷たい校舎の時は止まる 上・中・下 講談社

てっきりミステリーなのかと思いきや、そうではありませんでしたね。
かといって、ホラーでもないし? ファンタジーというわけでもない。
青春小説ですね。
懐かしいなあ、高校時代……。

でも、話の内容がただ感動させる舞台を作るためにファンタジー要素を持ち込むのは好みではないのですが、そうなったらいやだなと思いながら、上巻を読み終え、続けて中、下と。

それしても、深月が「ペルソナー!!」と叫ばないのが、腑に落ちない!?
おもいっきり、雪の女王編を思い浮かべていました。
梨香と綾瀬が被ってしょうがないんですけどー。

作中にも「ランゴリアーズ事件」という言葉が出てきますが、スティーブン・キングの作品のオマージュなんでしょうかね。密室の殺人ゲームを題材にしたミステリは多いものの、犯人捜しに各登場人物たちの回想がどんな風に関わっていくのか、割とハラハラしながら読み進めていきました。
事件とは関係ないエピソードが多いようです。てっきり、事件の学祭のそれぞれの行動が重なり合って真相が見えてくるのかなと思ったので。
青春小説としては、高校生の、思春期の悩みや、それぞれが抱えている過去が証されていき、今の自分がどうして構成されているかが語られていきます。
なんとなく自分の映った鏡に大きなひびが入ったかのような、痛みを伴います。もう高校生じゃないのに、彼らと同じ痛みを抱えている自分は、成長しているんだろうか? なんて思いながら、感情移入しまくり。

しかし、それぞれの回想にどんな意味があったのか……?
それぞれの抱えているものはわかったけれど、深月はどうして自分を支えてくれた友人たちを恐い目に遭わせなければならなかったのか?
深月と春子の確執が軸なのですが、自殺の原因を作ってしまった罪から逃れるために、八つ当たりしたってことなのかな?
自分は春子のことを好きなままでいたかったのに、鷹野たちが関わらないように仕向けたから、こうなった、と。

男性キャラたちはみんな良くできたお方ばかりですが、そうして支えていた自分たちをあんな目に遭わせた深月に対して良くああして受け入れられたなあ(苦笑)。
人間できすぎだよ。そりゃ優等生が揃っていたけれど。

実際、現実に生身の自分からしてみれば、そこまで度量のでかさを見せつけられると、読者の私が狭量な部分を突きつけられてしまった気がして、悩んじゃいますね……。
それは理想なのかも知れないけれど、あそこまでリアルに高校生たちの内面や悩みに共感していたのに、そこで大きく外れてしまったのが痛いです。

菅原榊って名前もどーなのよ? 確かに彼だけ、下の名前が出てこなかったんだよね。迂闊だったー、あれは確かにしてやられましたネ!
彼とヒロくんのエピソードは、驚いたし、あとに効いてきましたからね。

結局、私は深月のように弱くて、それでもあんなにいい友人たちに囲まれている彼女が羨ましいのかな、っと。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

七つの人形の恋物語

久しぶりにびっくりしました。だって、このブログ書くのも、1年7ヶ月ぶりだもの。

七つの人形の恋物語
ポール・ギャリコ・著 角川書店

この文庫には、「スノーグース」「七つの人形の恋物語」の二本が収録されています。
角川文庫はなにやら、今月の文庫編集長なるものを設定しているみたいですね。今年の夏は、恩田陸のようです。で、恩田先生が選んだ6つの作品の内の一つというわけです。

買ったのは気紛れなのですが、これがびっくり大当たりでした。薄い文庫だったので、何もする気のない日曜の午後にぴったりかなと。
収録されているのは二編。「スノーグース」も嫌いじゃないんですが、「七つの人形の恋物語」がストライクでした。
なにかしらファンタジーばかり読んでいたのですが、こういうのもいいですね。
人生に疲れて何もかもに怒っているやさぐれたキャプテン・コックが操る、七体の人形劇。それに魅せられ、人形たちの合いの手を入れるために舞台に立った、貧しい少女ムーシュ。
七つの人形たちが織りなす劇に交わることで、二人の間に芽生えはじめる交流。
けれども、七つの人形は彼女の味方だけれども、操るキャプテン・コックは夜はムーシュに辛く当たる始末。
彼女の中では、七つの人形たちとキャプテンが同一に見ることが出来ず……。

……という、恋の物語。いい歳してこういうのが好みです……。一年半経っているのに、またぞろかき込みたくなったというわけです。

ただ、溜まっているだけか?

それにしてもこの方、こういうのだけでなく「ポセイドン・アドヴェンチャー」の映画の原作も書いているのですって。そっちはともかく、他の作品も読んでみたくなりました。

昨今では、ライトノベルもお気に入りがないし、ファンタジーファンタジーしているのも食傷気味。で、走っているのが、なんというか幻想小説です。(この辺りのジャンル分けって、よくわからない。この小説も、厳密にファンタジーじゃない気もするし……)

近頃は、ジェフリー・フォードやJRRマーティンがお気に入りです。
ジェフリー・フォードは「白い果実」が秀逸です。続編二つを積んであり、楽しみ。「シャルビューク夫人の肖像」はオチがいまいちだったかと。
JRRマーティンは、夭折した「時の車輪」シリーズの後釜に入りました。まだまだ先は長いですが、どうやら第四部に来て、訳者が変わったとかでごたごたしていますね。話しもよりファンタジー要素が濃くなってくる様子ですが、こちらは面白いです。

ここ3ヶ月ばかりは、
「ハリー・ポッターと死の秘宝」「魔王」「時が滲む朝」「少女ノイズ」「氷と炎の歌2 王狼たちの戦旗」
「歌う船」「対話篇」「メシアの処方箋」「変身」「ジェイン・オースティンの読書会」
こんなところでしょうか。

現在、積んであるのは
「13番目の物語」「記憶の書」「緑のヴェール」「収穫祭」「密室キングダム」「説得」……などなど。
さらに他にも欲しいのが、「沈黙博物館」「また会う日まで」「見知らぬ場所」「エア」……などなど。

そして、今喉から手が出そうなくらい欲しいのが、
「驚異の発明家の形見函」と「形見函と王妃の時計」
欲しい! 欲しい、欲しい!! 独立した話らしいのですが、前後編のごとく密接にリンクした、秀作らしいのです!
この本一冊3500円以上もするんですよ。文庫は発明家の方は出ているんですが、後者はまだ文庫の予定はないらしい。
けれど、その装丁の美しいこと! 絶対、ハードカバーで欲しい!!

でもなあ、さすがに会社にこんなに思い本を持って通勤するのって、周りからなんと言われるか……。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

高慢と偏見

高慢と偏見 上・下
ジェイン・オースティン・著 ちくま書房

そして、映画。

Amazonでなんとなく見つけて、評価が高かったのでなんとなく、ロマンティックだったので、興味が湧きました。あの時代のことも知りたいと思ったのです。
本屋で探したけれど、ちくま書房のこうした小説を置いているところが無くてやっぱり、通販で買いました。
別の筆者による、続編もあるみたいですね。邦訳はないようなので、読めないのですが、紹介文では面白そうです。っていうか、同人誌の走りみたいなものなんですかね。面白い原作に、妄想のエピソードをつけちゃうのって。かなり、ドリーム入っているらしく、ハーレクィンじゃなかろうかと思われます。

同人ネタはともかく、小説は面白かったです。
昼休みに少々読み始め、家に帰ってから夜中の二時まで読みふけりました。

村一番の地主、ベネットさんちの五人姉妹。ヒロインのエリザベスは聡明な次女で、歯にもの着せぬ率直な物言いが、ちょっと元気が余ってる感じ。
長女のジェーンはお人好しでおっとりした美人。ご近所に引っ越してきた、お金持ちのピングリー氏と恋に落ちます。けれど、そのピングリー氏の側には、鼻持ちならない無愛想なダーシー氏が……。
滑稽なキャラが騒動を引き起こしながらも、スリリングな展開に、エリザベスとダーシーの恋模様は、面白かったです。
上巻のクライマックスで、ダーシーがエリザベスに告白するシーンは、切ないです。

ただ、なんつーか、描写が少ないので、期待していたほど当時の生活を知ることは出来なかったのですが。
地主のベネットさん家がどんな生活をしているのか、全然わからないんです。召使いもいるみたいですが、それがどれくらいの人数いるのか、わからないんですよね。登場人物として、使用人たちの描写がないので、ベネット家は七人家族なのかと思ったら、そうでもない様子。
当時の著者や読者にとっては、そういうことは常識なので書く必要もないのかもしれませんが、現在の我々には、国(文化)も違うしちょっとわからないですよね。

時代背景を伝える必要がないのかもしれませんが、当時の風習や礼儀などは描かれているのですから、後世になにかを時代を伝えることが出来ず、もったいないような気がします。

そんなこんなで、すっかりはまってしまったので、映画のDVDも通販で購入。お店ではどこにも売っていなかったので。映像で見ることが出来れば、小説で物足りなかった描写を補うことが出来ると思ったので。とりあえず、映画を見たお陰でその目的は果たせました。
主演は、キーラ・ナイトレイ。今話題の「パイレーツ・オブ・カリビアン」でもヒロインです。改めて見ても凄い美人さんですよね。ぶっちゃけ、彼女の映画なのか???
小説では美男子と称されていたダーシー氏は、鼻が高いけれど、本当に気むずかしい顔をしていて、あの服装と髪型でやぼったい感じがしました。28歳にしては、いぶし銀の渋さです。
二時間の映画ですが、あの長編を詰め込むには、展開の早いこと早いこと。ジェットコースターロマンスじゃあるまいし、とはいえ無理もないか……。
スリリングな展開じゃなくて、せわしない展開でしたね(苦笑)。登場人物たちの説明も足りないし、展開を台詞で説明しないとおっつかない。
けれど、乏しい空想しかなかった世界観に色が付いて良かったかな。原作を読んでから観て、正解だったかもしれません。
舞踏会って、テレビでやってるような社交ダンスしか想像できなかったのですが、ああやって何列にも並んでくるくる立ち位置を編むようにして変えていきながら踊るものなんですねえ。
今度は吹き替えで観ます。吹き替えと字幕だと、台詞が違うんですよね。感じ方も変わるし。もしかしたら、そっちのほうがよりしっくりくるかも。

ジェイン・オースティンの作品は、機会があれば他の作品も読んでみたいです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

G.I.B 聖なる死神の伝説

G.I.B 聖なる死神の伝説
GUY IN BRACK
沢井鯨・著 徳間書店

話のテンポもよくて面白い。とりあえず、話の筋などはどうでもよくなります(笑)。短い話が続くので、なんだかシナリオのト書きのような……。
タブーを破る極限のバイオレンス&エロス。
ショウ・クオン 34歳。超イケメンとは言っても三十台の主人公とは近頃では珍しい。身長も175cmと普通ですしね。非道で残酷なフェニミスト。女性が彼を放っておかず、彼自身も女性を放っておかない、希代の好色漢。恐れ多い。
翔・クオン 19歳。ショウの義理の弟で、195cmの巨漢。根は優しくて力持ちって感じでしょうかね。自分を引き取ってくれたショウを慕ってはいるようですが、性格は正反対のようです。
隕石の落下により、人類の中にバイオノイドなる超人が生まれ、世界は混乱に陥った。
そんななか、クオン兄弟はなにやら仙術をマスターしておる模様。
まあ、卑怯な展開(笑)。誰も彼には勝てませぬ。女も誰もがメロメロです。
ショウ・クオンは本当に悪い男で、ダークヒーローです。次巻がすぐにでも発刊されるとか。楽しみです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ウィザーズ・ブレイン V

ウィザーズ・ブレイン V
賢人の庭 上・下
三枝零一・著 電撃文庫

錬悪魔使いとフィア天使、ディー双剣とセラ光使い、の似たものカップルが登場してちょっとうっぷって感じですね。
なんでやねん。
当初主人公らしかった錬も影が薄いことこの上ない。しかも世界樹の街ではやばいことしちゃったもんねえ。

シティを守るため、人々の生活を支えるために犠牲になる魔法士の子供たち。
脳に埋め込まれたI・ブレインが、世界を支配する物理法則を操る力を与えられる。
犠牲になるのは道具のように扱われる魔法士たち。その彼らを助けるために一人世界と戦う少女、サクラ。
その魔法士の犠牲の上でしか生きていけない人間たち。そんな人間たちを守るために戦う少年、イル。
今回はこの二人の戦い。

とはいえ、感情移入できるのは、イルの方。自分の境遇をそれでも受け入れて、同胞にののしられながらも、人間たちのために戦う彼。
一方サクラは、ほんの一握りの子供たちのために、大勢の人間たちを倒していく。しかして、その子供たちが生きるには結局、誰かの力を借りるしかなく、それは生み出される魔法士ではありえない。そして、子供たちは自分たちの持っている力を理解していないのに、使っている。おそらく今後はそれが悲劇につながるのでしょうね……。
そういう彼女の比べると、やっぱり自分を強くもっているイルのほうに味方しちゃうなあ。第一、サクラは、相手の能力をコピーする卑怯な能力を持っているし~。そういうのは、敵が持っているもんでしょー。錬はさらにいらない子になっちゃうじゃーん。

それぞれ、錬の姉兄、月夜と真昼とフラグがたっている模様。

それなのに、サクラはそれでも魔法士たちを助ける道を選ぶ。しかし、それはどうしたって矛盾しているんだよね。どこまで正当化していけるんだろう。
第一この話、こんなに難しいテーマを扱い、互いに衝突させて、最終的に収拾つけられるのだろうか。
最悪、ガンOムシードOスティニーのようになってしまうのでは……?
お涙頂戴ストーリー展開には、やられちゃいます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

アーサー・ラッカム

え? 誰? と思ったら、画集だった。
というわけで、画集特集?

アーサー・ラッカム
河出書房新社 アーサー・ラッカム・画
画集のタイトルも、ずばりそのまんま。
20世紀初頭英国の挿絵本の黄金時代を飾る、人気画家アーサー・ラッカムの挿絵作品集。
不思議の国のアリス、ニーベルンゲンの指輪、など。
私が知っているのは、「ニーベルンゲンの指輪」だけなんですけどね、そのためだけに購入しました。
何故か、丁寧にビニール包装して届きました。
私はそもそも、この方の名前も知りませんでした。けれど、高校の図書館に「ニーベルンゲンの指輪」があったのですよ! 私はそもそも北欧神話が大好きなんですけど、「ニーベルンゲンの指輪」はワーグナーのクラシックCDを買っちゃうほどでしたよ。
中身も大して読まなかったんですが、本の最初にある何枚ものカラーイラストが美麗で、それだけで本当に物語のすべてが語られているような感じです。
もちろん、そのイラストが目当てで買ったのですが、残念ながらやっぱり全部はのってなかったですね。
まあ、それはしょうがないか……。
ニーベルンゲンのオペラ、一度は見てみたいですね。今年、なんだか上陸してたとかしてなかったとか?
この本、エーテー・クラシックス第一弾ってことは、他にも出るんですね。何が出るんだろう?

トリニティ・ブラッド ファブリカ・テオロギア
角川書店 THORES柴本・画
この方は、TheSneaker出身なんですよね。あれ以来、ザ・スニ出身のイラストレーターっているのかしら?
他にもお人かたいて、そちらもビッグになられましたね。
もう、この方のイラストだったから原作買ってたみたいなものですから、こちらも予約してしかも二冊買っちゃいましたよ! 高値がついたら、ネットオークションで売れると思って。
中身はもちろん秀逸ですが、案外表紙とか、ジャケットとかを飾るイラストが多いので、そういうのは背景が寂しいですね。ちょっと地味に見えるな。
それに、ご存知!?
アニメのDVDの初回特典にも、先生の書き下ろしイラストがどどんとついてくるんざますよ!?
いったい、何事!? もう二度と出ない画集なのにー!!
しかし、そのイラストのためだけに初回限定DVDを買う気はさらさらないわけで、腹立たしいことこの上ない。
せっせとDVDに焼いたのにー。
イラストはかなり描き込まれていますね、webでチェックする限り。各キャラクターの日常というか、本編では描かれないその姿、いったいどうしてこんなにまで書き込まれているのですか!?
それに初期の初回限定版がまだ残っているとは思えないー! 探せばあるのだろうか……。
私は、揃えるならば、揃っていないと嫌なんです。だから、その間だけ買いそろえるなんて、嫌だ!!
もちろん本もそうです。一巻がハードカバーで、二巻が文庫だなんて考えられない!!

それはともかく、そのDVDについてくるイラストが画集についてこないのは、残念無念、もう泣くしかない始末。
だって、DVD12巻も出るんですよ? あーた、新作イラストが十二枚かよ!!
せめて、アニメのトリブラHPでチェックできたら嬉しい。
カタリーナ様のお着替えとか、ユーグの料理とか、レオンの白のスーツ姿とか……、今後はなにが出てくるんだ!? それとも出てこないのか? アニメも終わったし、今後の詳しい紹介はなさそうだな……。

ちなみに、今回の画集の複製原画が出回るらしいです。もちろん予約限定。
複製原画は高いのよねえ。額もついてくるとか。
んー、もし買うとしたら、ハヴェルかなー。
アニメでは立木文彦でした。アニメも一年あったなら、彼のエピソードもあったのかなと思うと、そっちも残念。渋い役所でしたがほとんど出番無かったし。
あのまさしく、キリスト様のようなお姿が素晴らしい。ああ、なんと高尚なお姿。
複製原画を買うなら、祈りの横向きが欲しいなー。飾らないだろうけど。だから、買わないな。
スキャナーで取り込んで壁紙にでもするか。
とりあえずCG画集でないかしら、などと思っているんですが……。

これだけ語っていますが、それほど原作が好きだったわけじゃないのよね。
なんとかとなんとかを足して2で割った感満載だったので。でも、著者の作品は好きでした。
デビュー作は北欧神話が下敷きになっていて。二作目は売れなかったらしいですね。そうして、満を持してのトリニティ・ブラッドだとか。
過去と現在の二つのシリーズがリンクしていく様は面白かったし、そのお陰で世界観の広がりは凄かったなあ。
キャラクターもみんな魅力的だったし。

著者は病気持ちだったとか。
一度だけ、お姿を拝見したことがありました……。もう、七年近く前の話か。
なんだかんだとやはり、未完の作品というのは惜しまれますねえ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

バーティミアスIII

ついに登場、悪魔のバーティミアスが大暴れ!? 待望の最終巻。前月には、ドラゴンライダーが出ましたし、夏にはライオンボーイが完結しましたしね。
他に何か話題の物語があったかな? マーリンも読みたいんだよね……。でも、その前にダレン・シャンも読みたいんだけど……。

バーティミアスIII プトレマイオスの門
理論社 ジョナサン・ストラウド・著

悪魔の存在する世界。
けれど、キリスト教のいう悪魔とはちょっと違いますね。
悪魔というのは、意志を持ったエネルギーの塊という感じでしょうか。彼らはそんなエネルギーの塊である異世界から、魔術師たちはその意志を召喚します。
そのエネルギーの塊は、妖霊となって魔法を使うのです。
魔術師たち自身はたいした魔術は使えず、悪魔を使役して魔法を使う感じですね。

それがまた、かなり一方的なもの。
魔術師は魔法陣を描いて、悪魔を召喚し、従わせます。悪魔の方は、その召喚の魔法陣に欠陥がない限り、逃げ出すことは出来ないのでした。
悪魔は、仕えた代償になにも貰えずに元の世界に帰るしかない。
なんて、酷い世界。
バーティミアスがいいやつなだけに、バーティミアスを操るナサニエルは我が儘でかなり嫌な奴。
第一巻から、気分が悪くて感情移入出来ない。
ナサニエルはそれこそ不幸な生い立ちなわけで、確かに同情できるんですが、それにしたってバーティミアスにすることが酷いし、そればっかりが目立ってしまって、時折やるせない。

ちなみに、主人公が酷い人間で有名なのは、「童話物語」あれのヒロインもかなり偏屈でした。不幸な身の上でああなるのも仕方がないのですが、最後は感動の大号泣でした。
ナサニエルも負けず劣らず不幸ですし、毎回最後は良心に目覚めて正義を行うのですが、なんだかなあ。
やはりいまいち応援できない。
バーティミアスはひねくれていても、良心があるのでどうしてもこっちの味方をしてしまう。

第一巻では、どんな魔法も跳ね返すサマルカンドの秘宝の話し。
第二巻では、強大な魔力を秘めたグラッドストーンの杖。
第三巻では、その二つの物語の決着がつくのです。
倫敦を暗躍する顎髭の男。
そして、魔法に免疫を持つ子供たち、レジスタンス。
ナサニエルはバーティミアスの力を使役して、弱冠十七歳で政界の仲間入り、出世街道まっしぐら。
けれどそのために、バーティミアスは身体もぼろぼろ。
それでも、ナサニエルは自分の寂しさのためにバーティミアスを使役するのです。
バーティミアスはそのために、ますますぼろぼろに……。
ナサニエルもその姿を見て慌ててバーティミアスを異世界に帰すのですが……。

物語はバーティミアスの最大の宿敵との対決、バーティミアスの苦い思い出などに彩られながら、ナサニエルとバーティミアスの最強タッグというかたちで、最後の決戦へと流れ込んでいきます。
そして……

「驚くなよ、泣くなよっ! この結末、オレ様の想像を遙かに超えてるぜっ!!」
みたいな、バーティミアスのコメントが帯びにありますが。
確かに最後は驚きました。
こんなのあり!? って。でも、それは物語の展開に対してではなく、物語の終わり方に、です。
それにあまりに突飛すぎて泣けなかった。
過程はもちろん面白かったんですけどねえ、バーティミアスが弱っていたから、それほどはっちゃけなかったんだよなあ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

より以前の記事一覧